ペットと口移しやキスはNG 「恋人」でなく「友だち」の距離を

 家の中でペットを飼う人が増えています。ただ、動物は人にもうつる感染症を持っています。中には動物の体に異常はなくても、人にうつると健康を損なう病気もあります。ペットと仲良く暮らすには、適度な距離を保つことが必要です。

 人と動物に共通の感染症は、「人畜共通感染症」や「ズーノーシス」などとも呼ばれる。人がうつらないためには、「節度ある接し方」をするよう言われるが、果たしてどんな接し方だろうか。

 動物の感染症に詳しいみずほ台動物病院(埼玉県富士見市)の兼島孝院長は、「ペットは恋人ではなく、友だちとして付き合って」と助言する。例えば、キスしたり、自分のはしで食べ物を与えたりすると、病気がうつる恐れがある。

 人に最も多くうつる感染症が、「パスツレラ症」だ。この菌は犬の約7割、猫のほぼ100%が口の中に保有している。動物に症状は出ないが、人がかまれたり、引っかかれたりして感染すると、傷が腫れて痛む。顔をなめられて呼吸器から感染すると、蓄膿(ちくのう)症などが起こる。

「猫ひっかき病」は、主に猫にかまれたり、ひっかかれたりしてうつる。注意したいのは、傷を負ってから数週間たっって傷が治ったころに、近くのリンパ節が腫れることだ。予防にはひっかかれないよう注意して、猫の爪を切っておく必要がある。

 ミドリガメなどのカメからうつるのが、食中毒菌として知られるサルモネラ菌だ。腹痛や下痢、嘔吐(おうと)が起こる。

 オウム病は、感染している鳥と接触した時や粉じんになったフンを吸入して人に感染し、インフルエンザのような症状が出る。部屋の換気をよくして、鳥かごをこまめに掃除して予防する。

 感染症の症状の多くは、風邪などと似ているので、症状だけではわかりにくい。受診した場合には、動物を飼っていることを話した方がいい。

 兼島さんは動物の感染症を恐れて飼わないのではなく、「動物にも人にも快適な環境で暮らせば、ペットは人生をより豊かにする、かけがえのない友人になります」と言う。

(宮島祐美)

朝日新聞
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