猫は体臭で「友情」を確かめ合う?! お風呂上がりの工夫

仲良きことは美しきかな
仲良きことは美しきかな

 秋も深まり、寒くなってきました。

 そうです。つまり、こたつの季節です。

 猫とこたつの相性は抜群ですが、アレルギーをからめてしまうと、最悪の相性になってしまいます。

 私は、猫とハウスダストのアレルギーを持っているので、猫のアレルゲン物質やらほこりを溜め込みやすいこたつ布団が部屋にあるだけで、ちょっとした脅威になるのです。

「丸洗いできる布団」「防ダニ」のこたつ布団に新調したけれど、やっぱり心配……。でも、そろそろこたつを出さないと寒い。

 ということで、少しでも心配を減らすために、猫をお風呂に入れることにしました。

 猫のお風呂に関しては、過去にも書きましたが、今回は新たな発見がありました。

 我が家の2匹の猫のうちサバトラ柄のモモは毛深くて、春から夏にかけて大量の毛が抜け始めるので、大抵その時期にお風呂に入れています。

 一方、サビ柄猫のあんずは毛が薄めで、全く臭いもしないため、ほとんど風呂に入れたことがありません。モモをお風呂に入れると力が尽きて、あんずにまで手が回らない、という理由も大きいですが……。

 猫をお風呂に入れることは、それだけで大変なものですが、お風呂を出た後も、ちょっとした問題が生じるため、それも悩みの種でした。

 それは、シャンプーの香りになったモモを、あんずが避けるようになってしまうことです。あんずはモモをクンクンした後、「フーッ!!」と威嚇して、臭いが戻るまで1週間は近づかないし、近づかせません。

 モモはあんずのことが大好きなので、威嚇されたり、一緒に眠れなくなったりすることは、ストレスになるでしょう。

 でも今までは、モモだけお風呂に入れていたからあんずが威嚇するのであって、頑張って2匹とも入れてしまえば、仲良くできるかもしれない、と考えました。(今までもそうしろよ、という話です)

 さらに、今まで使っていた香りのきつい猫用シャンプーはやめて、普通のせっけんを使用することに。そして、不潔になりやすい下半身だけせっけんをつけて洗い、上半身はよく流すだけにして、多少の“体臭”を残す作戦にしました。

 ということで、1匹ずつお風呂に入れた後、2匹の様子を観察してみました。

 モモはあんずのおしりの臭いをかいでいて、あんずのお風呂上りのきれいな身体にも「友情」を感じている様子でした。

 一方、肝心のあんずは……。

 かたずをのんで見守っていると、あんずもモモの身体をクンクンし始めました。いつものお風呂上がりのように「フーッ!」とは言わないけど、けげんそうな顔で立ち去ってしまいました。

 威嚇はしないまでも、やっぱり「別人」のような振る舞いでした。身体の臭いを少し残した作戦も失敗か……。

 そこで最後の手段!モモがさんざん来ていた洋服をまた着せて、モモの体臭を復活させる作戦です。この日のために、モモの服を洗わないでとっておいたのです。

 体臭がたっぷりしみついた服をモモに着せ、しばらくたって2匹の様子を見ると、一緒にスヤスヤ眠っていました。

 成功だ!

 体臭を少し残すことが、猫らの「友情」を確かめ合うために必要だったようです。

 人間にはちょっと理解しがたいことではありますが、見た目よりニオイで判断しているってことですね。

 仲良きことは美しきかな。ってことで何よりです。

(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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