ノミやマダニはかゆいだけじゃない 毎月の駆除薬を忘れずに

  • :暑くなってくると、犬がかゆそうにするしぐさが気になります。
    :山根 皮膚疾患には様々な原因が考えられますが、春先から秋にかけてはノミやマダニの対策を心がけてください。ノミやマダニは、犬や猫に寄生して血を吸う虫です。かゆみや皮膚炎を起こす、有力な原因の一つになります。
  • :どう対策すればいいのでしょう。
    :山根 マダニは春から秋にかけて、ノミは室温や気温が13〜15度くらいになると、それぞれ活発化します。いまはノミもマダニも駆除できる薬がありますので、かかりつけの獣医師に相談のうえ4〜12月に毎月投与するようにしてください。最近では、背中に垂らすタイプに加え、かみ砕いてのみ込むタイプの薬も出てきています。
  • :そういえば、マダニにかまれて人が亡くなったというニュースを見ました。マダニに寄生されると、皮膚疾患のほかにも危険があるのでしょうか?
    :山根 ニュースになったのは、マダニにかまれたことで重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱に感染した人のことですね。特にSFTSは致死率の高い病気です。いまのところ、犬や猫に寄生したマダニが原因となって、人がこれらの病気に感染したという報告はありません。でも飼い犬や、屋外にも出している飼い猫に駆除薬を与えておけば、そもそもリスクが減らせることは間違いありません
  • :人以外なら、さほど心配することはないということですか?
    :山根 いえ、犬は、マダニが媒介するバベシア原虫に感染することで、溶血性貧血を発症するバベシア症にかかる可能性があります。症状としては発熱したり、皮膚に黄おう疸だんが出たり、時には赤血球が破壊されるために赤い尿が出たりします。薬物治療をすることになりますが、治療が遅れると死に至ることもある怖い病気です。見た目の症状として食欲がなくなって元気を消失することから、夏バテと勘違いする飼い主も少なくなく、注意が必要です。
    また猫の場合は、ヘモバルトネラ症(ヘモプラズマ感染症)という貧血性疾患に、ノミやマダニを媒介として感染すると言われています。
    とにかく、まずはノミやマダニを近づけないよう、いまの時期は毎月忘れず駆除薬を投与することが大切です。
山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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