犬も猫も人も安心できる暮らしをするため 実践している小さなルール
保護犬の預かりボランティアをする、インテリアデザイナーの小林マナです。犬や猫と暮らしやすい住空間をつくり、いまは保護猫1匹と、預かり犬1匹と生活をともにしています。第36回は「我が家の犬猫ルール」をお伝えしていきます。
犬は1階、猫は2階の理由
預かり犬2匹と猫2匹がいる我が家には、それぞれ居住場所のルールがあります。
1階は預かり犬のニハチとイチゴ、2階は猫のギルとマロンのエリアにしています。犬と猫の場所を分けた理由は、以前、マンションに住んでいたころに入れ代わり立ち代わりやってくる預かり犬たちに対して、先住猫たちが神経質になってしまい、具合が悪くなることがあったからです。
老犬で目が見えず反応も鈍いと、意図せず猫を追いかけるようなことになってしまい、そのせいで猫にはストレスがかかり、犬によってはソファから降りられなくなってしまうことがありました。
犬も猫もみんなが快適に過ごせるよう、新たに家を建てた時に1階を犬、2階を猫に分たのです。
残念ながら兄妹猫のジョーは、持病もあり引っ越しはかなわずに亡くなってしまいましたが、それが功を奏して、ギルの調子は良くなりました。フロアを分けてからは、猫2匹で穏やかに自由に、床に寝転んだりしながら過ごすせるようになりました。
犬の散歩と人間の散歩を分ける
分けているのはフロアだけではありません。犬の散歩と人間の散歩も、分けていることのひとつです。
預かっている保護犬のニハチは10歳を超えた老犬で、お散歩はかなりゆっくりです。 一方イチゴは、前脚が悪いため長く歩かせると痛いのかぴょこぴょこと激しく跳ねるようになってしまいます。
そのため、2匹ともお散歩時間をとても短くしているので、人間の運動不足解消のためにも犬の散歩と人間の散歩を分けたのです。
分けた当初は犬友から、「あら? 犬は?」と聞かれることがあり、「人間の散歩です〜!」とよく答えていました。私たち夫婦だけでもどんどん歩くようになり、揚げ句には散歩中に見つけた貸農園を借りることにもつながりました。
老犬たちには、10〜15分の短い散歩を朝晩2回しています。それは、預かりボランティアを始めた時から変わりません。犬によって色々な状況がありますが、私の預かったのほとんどの老犬は、脚の動きが悪い、匂いを嗅がない、反応が薄い犬が多かったです。
散歩に行ってなかったのかな? と思うような犬が多く、まずは短くても毎日淡々と歩くことを覚えさせるようにしています。そうすることで、お散歩行く時に喜ぶようになったり、匂いを嗅いだり、歩きにくそうな脚が少しはましになったりしていきました。時には走り出せるようにもなっていました。
若い犬だったらぜひとも一緒にたくさん歩くことをお勧めしますが、老犬になると長い距離を歩くより、短い距離を数回に分けた方がいいですよね。
犬や猫も人も安心できる暮らし
イチゴを預かり始めたころを思い返すと、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、家にいる時間が確実に増えていました。昼間は現場へ行くことはありましたが出張へは行かず、夜は外食することがなくなり、家で過ごしていました。
当時のその状況は、犬猫たちにとってはよかったのではと思います。調子が悪くなってもしっかり介護ができたし、私も安心して過ごすことができました。
どんなに安心できる預け先があったとしても、やはり犬や猫を誰かに託すのは心配 してしまいます。当時は出張がなかったので預ける機会もなく、いつになく平和な感じがしていました。
そんな時、たまたま知り合ったアニマルコミュニケーターの方から言われたのが、「人の波動に犬や猫たちも共鳴するから、心配するより安心させてあげて」ということ。
たとえば、猫の食が細くなってしまって「あぁ……なんで食べてくれないのだろう」と心配しすぎて強制的に食べさせるよりも、「おいしいから食べようね〜」と私がほほ笑みながらあげることで猫も安心して食べるようになる、という話を伺いました。「なるほど〜。私には肩に力が入りすぎていたなぁ」と納得したものです。
それからというもの、ぎゅっとしていた気持ちが開いて、私も安心して動物たちと付き合えるようになったのでした。
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