犬と猫の多頭家族になったドッグトレーナー 仲良く暮らせる環境のため気をつけたこと
サーフィンやスケボーが得意な愛犬コーダと保護猫たちと暮らすドッグトレーナーの浅野さんから見た、犬や猫たちとの暮らしをつづります。
先住犬と新たに来た猫との関係づくり
新たに保護猫を迎え、今は犬1匹と猫3匹の多頭飼育となっている我が家。
昔から我が家では、犬は1匹だけで、命を全うするまでひとりっ子で育てるのが主流でした。
ところが私がドッグトレーナーになり動物に関わる仕事になったこともあり、それまであまり触れる機会がなかった保護猫を迎えることになりました。その1匹目が雑種猫のフィーユです。
もともとうちにいた愛犬のコーダは、子犬の頃から他の動物に過度に興奮したり恐れることがないように、刺激に対してできるだけ無視ができるように育てて来たので、子猫のフィーユを迎えた時でも我関せず、完全に無視していました。
最初こそ恐れからコーダにシャーと言っていたフィーユですが、コーダから近づかないことがわかると、逆にフィーユの方から近寄って行くようになりました。しかしコーダはうまくかわして距離をとっていました。
仕事で家を空ける時などは万が一のことがあってはいけないので、フィーユはケージに、コーダはリビングにフリーにして出かけていました。2匹はそれぞれ上手にスペースを共有するけれど、そこまで干渉しない良好な関係になりました。
多頭飼育の3つのポイント
多頭飼育をするうえで意識していたのは「平等に接する」「欲求不満にさせない」「お互いの存在を脅威に感じさせない」の3つでした。それぞれ解説していきます。
(1) 平等にする
犬も猫も「資源」が奪われそうになる時、または奪われた時に不快を感じます。資源とはその動物にとってのお気に入りの「オモチャなどの物」「スペースや寝床」「水や食べ物」「飼い主や人」「飼い主との遊びやトレーニング」などです。
それらが出現するタイミングは同時か、一方のみに与える時はそれぞれに見えない場所で与えることを徹底しました。
(2)不満にさせない
動物にとって必要な欲求を満たしておくことで、できるだけ不満を減らします。欲求の種類は、食べる、寝る、排泄(はいせつ)する、体温を維持する、繁殖するなどの「生理的欲求」、病気やけがの回避や安全な居場所を確保する「安全欲求」、運動、探究、追跡、捕食などの「行動欲求」、他者や社会と接触する「社会的欲求」です。
体と行動のマネジメントや、遊び、トレーニングでこれらを満たせるように生活に組み込みました。
(3)脅威に感じさせない
犬や猫にとって脅威となるのは「驚くこと」「怖いこと」「嫌なこと」です。
犬の動きと猫の動きは同じ動物であっても違うところがたくさんあります。ボディーランゲージも似ているようで違うところがたくさん。また、それぞれに感じ方も違うので、うまく介入したり、お部屋の環境を整えることでクリアできるところがあります。
例えば猫は、親愛の気持ちを相手の体にこすりつける動作で表現しますが、犬はこすりつけることはあまりしないので、コーダにとっては「嫌なこと」。なのでフィーユにそれをされると地蔵のように“無”になって固まっています。
犬は猫と違って怪しいと思うものにほえたり、興奮して向かっていったりします。コーダはあまりしませんが、ほえや興奮した動作には、猫は「驚いて」しまいます。
お互いを「怖い」と感じさせないように、生活スペースを区切ったり居場所や隠れられる場所を用意してあげることが大切です。
実家暮らしに戻った私の部屋は6畳しかありません。その中で中型犬1匹と成猫1匹に加え子猫をもう1匹。平面では対応しきれないので、DIYでお部屋を工夫することにしました。
次回は、犬と猫が仲良く暮らせる環境づくりについてお伝えしたいと思います。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。