多頭飼いは幸せ倍増! 保護活動をしていた私がトライアル期間を経て子猫を迎えた
サーフィンやスケボーが得意な愛犬「コーダ」と保護猫「フィーユ」「ガロ」と暮らすドッグトレーナーの浅野さんから見た、犬や猫たちとの暮らしをつづります。
これまでは譲渡先候補を探す側だった
私が行っている野良猫の保護活動は、まず、猫を保護して獣医師の診察を受けさせてから、譲渡先を募集するという流れです。
保護猫の譲渡先はこれから猫の家族になってくれる人。だからこそ、生涯大切にしてくれる人なのかどうかをしっかり調査し、誓約書を書いてもらって譲渡をしています。
チェックする項目は、例えばノミ・ダニの薬の投与や不妊去勢手術を行うかどうか、体調が悪くなった時すぐに動物病院へ連れて行けるか。また、皮膚・被毛のケアをして、清潔で心地良い場所を提供してくれるか、ペット可の住宅に住んでいるかどうかも大切です。他にもお留守番時間か、遊んだり、世話をしてコミュニケーションをとってくれるかどうかなどを確認します。
譲渡する猫は保護される前に過酷でつらい暮らしをしてきた分、幸せになってほしいのです。だからそれが約束できる人に譲渡したいのです。
今まではそんな気持ちで野良猫の保護に関わってきました。
今度は自分が譲渡される側に
ある日、うちの愛犬、愛猫達がお世話になっている、埼玉県蓮田市のらむ動物病院の副院長「そーら先生」がSNSに子猫をアップしていました。
目が青くてふわふわの白猫ちゃんに、一瞬にして心を奪われてしまいました。まだ譲渡先募集をしていなかったのですが「飼い主さん決まってますか!?」と食い気味にお尋ねしてみました。ラッキーなことにまだ誰からも声がかかっていなかったようで「会ってみますか?」と、そーら先生。
いいのかなぁ? もう1匹迎えちゃうなんて〜、まぁでもちょっと見るだけ……と言いながら、面会の日を楽しみに、部屋に3段ケージを立て、新しい猫用ベッドに水飲み、フードボウル、子猫用ご飯、子猫用おやつ、新品のトイレを用意してしまいました(迎える気マンマンでしたね)。
面会の日、そーら先生と話している1時間くらいの間、青い目の白い子猫はずっと鳴いていました。まだ2カ月の女の子ですが、うちの3歳のオス猫フィーユよりもはるかにデカい声で。ニャーとかではなく、「ギャオ!ギャオ!」と……。
その日は面会だけのつもりが、ギャオと鳴く白猫ちゃんに心奪われてしまい、家に連れて帰りたいとお願いし、その日からトライアルをスタートさせてもらいました。
トライアル期間は、次に動物病院に行くまでの2週間です。
子猫譲渡のトライアル期間
うちにいる保護猫たちは、飼育放棄があって譲り受けた子(フィーユ)と自分で保護した子(ガロ)なので、保護シェルターから譲渡される側になったのはこれが初めてです。
白猫ちゃんのトライアル期間中は、自分はこの子猫を生涯幸せにできる資質や条件が備わっているだろうかと、ヒヤヒヤした2週間でもありました。「トライアルしましたが、残念ながら猫は譲渡できません」そう言われたらどうしよう……と不安になりました。
もっと広くてセレブな家に行きたかったー!と思われないように、狭くても生活の質を良くしよう、一生幸せで居られるように猫にとっての健康・食餌(しょくじ)・運動・遊び・住居を保障しよう、それができるかどうかの試用期間がトライアルだ! と気を引き締めました。
トライアル期間の意味や譲渡先候補の条件や資質について、実際に自分がトライアル期間を経験してとても考えさせられました。
例えば、譲渡してもらう条件を満たしているかはつねに意識していましたし、譲渡して良かったと思ってもらえるように譲渡元との信頼関係も気にしていました。実際に引き取る側になると白猫ちゃんがどこから来たかも気になり、それを調べたり、寄生虫の治療をしていたため健康面にも気をつけていました。
そして無事に白猫ちゃんは譲渡していただけました。
メローと申します
名前は、青い目にちなんで、大好きな「穏やかな波」からmellow(メロー)と名づけました。しかし、白猫のメローはゆったりした波のイメージとは大きく違い、ケージの中を上から下まで前脚と後脚を使って猿のように這いずり回ってトイレの砂をバラバラにし、お水をこぼす嵐のような波と化しました。
2022年11月2日にトライアルが始まりうちの子になって、現在、生後4カ月齢です。
先住犬コーダもフィーユも家の中では静かに暮らしているので、メローも落ち着いて過ごせるようになりました。ケージもほとんど使わなくなり、畳んで倉庫にしまいました。
フィーユとメローがとても仲良しになり、追いかけっこはもちろん、お互い毛繕いをしたりくっついて寝るようになったり、いつも一緒に行動しています。それを見て幸せ倍増! 可愛い姿に、いつもニコニコが止まりません。
「猫は多頭飼いが絶対幸せだよ」と背中を押してくれた保護猫活動団体Relifeのミキさん、ありがとう!
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