意見をください! 1周年を迎えたAWGs(アニマル・ウェルフェア・ゴールズ)
公益社団法人「アニマル・ドネーション(アニドネ)」代表理事の西平衣里です。私達は動物のためのオンライン寄付サイト「アニドネ」を通じて、日本の動物福祉を世界トップレベルにするべく日々活動しています。しかし寄付だけではすべては変えられず、人々の“意識変革”をしたいと思い、1年前に立ち上げたのが「AWGs(アニマル・ウェルフェア・ゴールズ)」です。日本の動物版SDGs、創設から1年経ち、今回は集まった意見や施策を紹介させてください。
13ゴール、あなたは何を変えたいですか?
アニドネが向き合っているのは、主に伴侶動物(=犬や猫たち)における問題です。犬猫に対する人間の習熟度と犬猫のライフステージにおいて、問題点をラインナップし、優先順位が高いと判断したのが以下の13のゴールとなります。
13のゴールにひもづく21個のテーマに対して、一般の方に署名やアンケートで意見を回収。その結果をアウトプットしたり行政や問題解決につながるアクションにつなげたりしていく。その活動が、AWGsプロジェクトです。
つなぎっぱなしの犬を救いたい、外飼いの規制へ
この夏、酷暑日は多く、40度を超える日もありました。日が暮れてからの愛犬との散歩もサウナのような暑さでした。そんな季節でも、外でつながれて飼育されている犬がいることをご存じでしょうか。AWGsでは、どうしてもその現実を変えたくて、現在署名を実施しているのが「繫ぎっぱなしの犬を救いたい、外飼いの規制へ」です。夏のお盆前後にぐんと署名数が増えました。
*詳細はAWGsレポート「~いつもあなたと一緒に~ 犬の外飼いを取り巻く現状・法改正の提案」
私は東京在住ですが、都心圏内から車を1時間くらい走らせると、庭先につながれている犬を見かけます。ひどい場合は飲み水に苔が生えていることも……。しかしながら、犬は飼い主の所有物。勝手に連れ出そうものなら犯罪行為となります。よって飼育規制が必要だと提言させていただき、その賛同者が増え続けております。大変心強い署名と思いです。この意見は環境省へお伝えする予定です。
「保健所・動物愛護センター」アンケート結果報告
「保健所・動物愛護センター」に対して、一般の方がどう思っているのか意識調査をしました。
動物愛護センターを知っていた人は88%、知らなかった人は12%と、大多数の人が動物愛護センターの存在を知っているという結果です。これは保護犬猫に注目が集まってる今を表しており、とても良い結果ですね。
動物愛護センターで保護犬猫が譲渡されているということに対しても96%の人が知っているという結果に。しかし、動物愛護センターから犬猫を迎え入れたいかという質問に対しては、74%の人が「そのように思う」、14%の人が「わからない」、3%の人が「そのように思わない」、7%の人が「どちらとも思わない」と回答しました。過半数の人が犬猫を愛護センターから迎え入れたいと思っているのに対し、一定数の人は消極的な姿勢であることがわかります。
そして、動物愛護センターに対するイメージにつきいては、「良いイメージ」「どちらかといえば良いイメージ」と答えた人が53%、「悪いイメージ」「どちらかといえば悪いイメージ」と答えた人が35%、「分からない」と答えた人が12%というバラツキがある結果となりました。地域によって運営に大きな差がある愛護センターの在り方を示す結果であると言えます。
AWGsでは、全国の行政施設を検索できるマップをアップしました。現時点で70件弱の愛護センターの情報が載っています。こちらもぜひご利用ください。
レポートと意見を充実させて動物福祉の教科書に
「知っている」か「知らない」かで大きく変わる動物福祉の概念は、経験値頼りの面が強く、人によって知識レベルに差が生じてしまっています。致し方ないことでもありますが、正しい知識さえ知ってもらえたら、どんどん良くなると私たちはポジティブに考えています。実際ここ数年、とてもいい変化を感じています。犬や猫と暮らしてみて、肌で感じた彼らの優しさ、温かさに対して、人間側の非常識を正そうという機運を感じています。
AWGsでは、今後も計画的に問題の根本をわかりやすく伝えるレポートを作り、伝えていく予定です。いつかよくなれば、とぼんやり期待をするのではなく、可能であればAWGs主体で変えていきたいと思っています。ですが、私達だけが声高に叫んでいても多くの方の心には届きません。
ぜひ愛犬猫家であるsippoの読者さんも、署名やアンケートに協力してください!
(次回は10月5日公開予定です)
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