食いしん坊の愛猫たちが「セルフサービス」を習得 扉を開けるのはお手の物

茶トラ猫
熟睡するきなこ

 以前、食いしん坊の弟猫「きなこ」について触れたが、今回はその様子を詳しくお話しする。

(末尾に写真特集があります)

 さて!そのきなこ、吐き戻ししやすい体質なので、我が家では一日の量を3回に分けてあげている。

 きなこは食事の時間になるとすごい威圧感を出し、それに圧倒される兄猫「ジャッキー」はきなこが食べ終わるまで食べようとしない。キッチンの陰から顔半分をのぞかせ、食事中のきなこを見つめている。妻は、そんなヘタレなジャッキーをいつも捕まえてはキッチンカウンターの上に上げて食べさせているのだ。

 しかも目ざといきなこは、ジャッキーが残した場合、家族の目を盗んでキッチンカウンターに上がりそれを平らげてしまう。もちろん、できるだけ残りは電子レンジの中やレンジフードの上に置くなど、きなこの「爆食防止」に気をつけている。

猫
ジャッキーは、きなこに盗み食いされないため、流し台の上でエサを食べる

 そんな2匹、最近は「セルフサービス」という技を取得した。例えば家族が丸一日留守にするような時、いつもより余分に食事をあげて出かける。しかし、おなかがすくと、納戸に入っているカリカリを自分たちで出して食べるのだ。あえて納戸の2メートル近くあるステンレスの棚にストックしているにもかかわらずだ。

 前にも書いたが、ジャッキーは扉を開けるのはお手の物。現場を押さえていないのでどのようによじ登り、自分と大きさが変わらないほどの袋を引きずり落とすのか、その様は想像するしかないのだが。

 セルフサービスもびっくりだが、それよりもそこに自分たちの食べ物がストックされているということを知っていることが空恐ろしい。いつも何食わぬ顔をしているが、人間の行動を監視しているということに、ほかならない。また新たなストック場所を考えねば。猫との知能戦はまだまだ続く。

茶トラ猫
エサが置いてあるレンジフードに登るきなこ

 そして、きなこの難問のもうひとつ。これを読みながら食事をしている読者には大変申し訳ない。食べたらその行く先はひとつである。ウンチである。

 胃腸が強くないのに盗み食いをするからか軟便気味。しかも臭いも強烈。

 まぁ、それは体質もあるので百歩譲ったとして、自分で自分のモノの後始末をしないのだ!

 猫は本来、自分の証拠を消す名残からモノに砂をかぶせる習性があるのだが、きなこはベトベトしたモノが自分の手に着くのが嫌なのか、まったく的外れな、横に置いてある猫砂飛び散り防止用の段ボールをカキカキして、トイレを後にする。一ミリもモノに砂がかぶっていないのである。近くに食卓があるので、食事中に排泄(はいせつ)された際は一気に食欲減退だ。

 そこで、また、兄猫が良い仕事をする。見るに見かねたジャッキーは、まるでモノがなったかのようにきれいに砂をかぶせるのだ。家族の女子3人にモテモテのジャッキー、モテるのには容姿だけではない、それなりの理由があるわけだ。そこは人間も動物も一緒なのだろう。

 僕もジャッキーに弟子入りでもするかな?

茶トラ猫
きなこは夢の中

【前の回】なぜか弟猫きなこの態度が大きい 遠慮がちな兄猫ジャッキーがとうとうキレた

佐藤陽
1967年生まれ。91年朝日新聞社入社。大分支局、生活部、横浜総局などを経て、文化部(be編集部)記者。医療・介護問題に関心があり、超高齢化の現場を歩き続けてまとめた著書『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)がある。近著は、様々な看取りのケースを取り上げた『看取りのプロに学ぶ 幸せな逝き方』(朝日新聞出版)。妻と娘2人、オス猫2匹と暮らす。妻はK-POPにハマり、看護師と大学生の娘たちも反抗期。慕ってくれるのは猫の「ジャッキー」と「きなこ」だけ。そんな日々を綴ります。

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この連載について
日だまり猫通信
イケメンのオス猫2匹と妻子と暮らす朝日新聞の佐藤陽記者が、猫好き一家の歴史をふりかえりながら、日々のできごとをつづります。
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