愛猫「きなこ」の食いしん坊ぶりのその後 食事のあげ方を工夫してリバース対策

 約1年前の本欄で、弟猫きなこの「食いしん坊ぶり」について書いた。その後も彼の食欲は健在である。ただ、食事を無制限にあげていると、「リバース」してしまう。そこで最近、妻と話し合い、食事のあげ方に工夫をするようにした。

(末尾に写真特集があります)

 きなこの唯一の興味は「食べること」。兄猫のジャッキーは、押し入れに入ったり、外をのぞきに行ったり、いろいろ関心はあるのだが、きなこは「食べることが命」。カリカリの皿が空でも、その前にじーっとしていることが多い。本当に徹底している。

 最近のきなこの1日は、だいたいこんな感じだ――。

 朝5時か6時、リビング隣の和室で寝ている妻を起こす。「ニャー、ニャー」うるさくて眠れないので、妻は早い朝ご飯をあげる。しばらくは、おとなしくなる。しかし11時ごろになると、腹の虫が鳴るのか、また「ニャーニャー」としつこく鳴き続ける。今は、僕が在宅勤務で、妻がパート勤務なので、食事を与えるのは僕の役目だ。

茶トラ猫
「食事くれないかなあ~」

 最初のうちは、すぐにカリカリをあげていたのだが、最近は、最低12時までは我慢させる。すると、きなこは仕事部屋の扉を爪でこすり、カリカリ音をさせる。鳴き声も徐々に大きくなる。しかし、ここで折れてはいけない。僕はその雑音? に耐えながら、パソコンに向かう。先日は、取材先に電話しているとき、扉の隙間からすーっと入ってきてしまった。慌てて、抱っこして外に出した。

 だいたい午後3~4時ごろ、またニャーニャー鳴き出す。「3時のおやつ」の時間なのか? でも、ここも我慢。最低6時までは、食事を与えないようにしている。午後10時ぐらいになると、また騒ぎ出すことも。きなこがつぶらな瞳で見上げてくると、つい情にほだされそうになる。しかし、ここも耐えるようにしている。

 妻と話し合って、気をつけていることが一点ある。きなこは、食べ過ぎると、いつも「リバース」してしまう。それを防ぐため、1回にあげる食事量を少なめにすることにした。だいたい大きなスプーンに一杯ぐらいにしている。きなこは不満そうだが、彼の健康のためにもやむを得ない。

茶トラ猫
考え事をする? きなこ

 食欲が満たされないからか、きなこは、時々ジャッキーの食事に手を出そうとする。見つけると叱るのだが、こっそり食べてしまうこともある。優しいジャッキーは、遠くから眺めているだけだ。いじらしいジャッキー……。

 そこで対策として、ジャッキーの食事は、キッチン台の上の離れた所に変えた。しばらくは「被害」はなかったが、見つけ出し、「盗み食い」していた。はてさて、どうしたら、いいものか……。

 きなこが鳴くときの99%は「食事がほしい」のサインだ。わかりやすいといえば、わかりやすい。ジャッキーは、「甘えたい」とか「出かけるのが寂しい」とかで、鳴くこともあるのだが、きなこは、ほとんどそれがない。そんな一途なきなこが、可愛くて仕方がない。

2匹の寝る猫
「よしよし、ジャッキー」ときなこ

【前の回】愛猫「きなこ」が元気ない! おしっこの異変に気づき病院へ

 

佐藤陽
1967年生まれ。91年朝日新聞社入社。大分支局、生活部、横浜総局などを経て、文化部(be編集部)記者。医療・介護問題に関心があり、超高齢化の現場を歩き続けてまとめた著書『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)がある。近著は、様々な看取りのケースを取り上げた『看取りのプロに学ぶ 幸せな逝き方』(朝日新聞出版)。妻と娘2人、オス猫2匹と暮らす。妻はK-POPにハマり、看護師と大学生の娘たちも反抗期。慕ってくれるのは猫の「ジャッキー」と「きなこ」だけ。そんな日々を綴ります。

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この連載について
日だまり猫通信
イケメンのオス猫2匹と妻子と暮らす朝日新聞の佐藤陽記者が、猫好き一家の歴史をふりかえりながら、日々のできごとをつづります。
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