ホットカーペットのあたたかみを感じるモモ
ホットカーペットのあたたかみを感じるモモ

ビビりな10歳猫と3歳女児 すったもんだのコロナ休園でふたりの距離は縮まった?

 10歳の猫2匹と3歳娘の“決して仲が良いとは言えない関係”。

 普段の接触はあまりなく、“ただ一緒に住んでいるだけ状態”ではありますが、ここ1週間でわずかに進展があったのです。

ドライヤーの風で恨めしや…?

 娘が歩き始めてからは特に、娘と距離をとってきたキジトラ猫の「モモ」。モモはビビり猫なので、娘の突然の奇声や急な動き、ドタドタ走りが苦手で、なかなか仲良くなれないでおります。なるべく娘のそばから離れて過ごしているモモですが、相棒猫のサビ猫「あんず」と一緒にいるときは、気が緩んでしまいます。

2匹の猫
座椅子でくつろぐあんず(左)とモモ

 ある夜、あんずと一緒にリビングの座椅子でスヤスヤ眠っていたモモ。ちょうどその時、私は風呂上がりにウロウロ歩き回る娘の髪をドライヤーで乾かしていました。すると、うっかりドライヤーの風が少しだけ、寝ているモモに“サワッ”っと当たってしまいました。

 ビクッ!!!と飛び起きて逃げるモモ。生暖かい風がわずかに毛並みをソヨソヨさせただけなのに……。ドライヤーはもちろん、人工的な風が大嫌いなモモは、「もうっ!何なの?」とばかりに、恨めしそうにこちらを睨みながらどこかへ行ってしまいました。(あんずは気にせずぐうぐう)

 その翌日は特に、娘への警戒度が増したように見えました。娘の(ドライヤーの)せいで、気持ちよく眠っていたところを邪魔されたと認識したのかもしれません。

 ああ、仲良くなってほしいのに、遠ざかるばかり……。

最大級のアレに、娘が大号泣!

 そんなことがあった2~3日後の朝のこと。寝室で起きる準備をしていると、リビングから「オエッ」という声が。猫のどちらかが毛玉を吐いたな……と、容易に想像できました。

 片付けに行くかと寝室を出ようとすると、娘も起床。一緒にリビングに行くと、食卓として使っているローテーブルの下に、猫の口から出たものがありました。

 モモが見ていたので、モモのものなのでしょう。カリカリのえさを食べた直後に吐くのはよくありますが、その日の量・場所ともに、過去10年間で最大級に困った状態でした。(えさを大量に食べた直後だった様子)

目つきが悪い猫
基本の表情が「恨めしや~」のモモ

 娘のプラスチックのおもちゃと、ビニールでガードしたこたつのコードに大量にかかっていたので、ちょっと掃除がやっかいで。私が慌てて片付けに行くと……。

 娘「どうしたの?」
 私「猫ちゃんがゲーしちゃったんだけど、すぐ片付けるから大丈夫だよ」

 すると、おもちゃにかかっていることが分かった娘は、泣き出してしまいました。

 娘「わぁーーーっ!ねこちゃんが、なーちゃんのおもちゃにぃ~~」
 私「すぐ拭くから大丈夫だよ」
 娘「わぁーーーん!」

 娘のおもちゃは、最近全く遊んでいなかった雑誌のふろくのおもちゃでした。捨てようと思って床に放置していたところ、吐いたものがかかってしまったんです。

 私「これ、もうバイバイしようって言ってたし、良いんじゃない?」
 私「……ウン」

 特に思い入れのないおもちゃだったことを思い出し、泣き止む娘。捨てられなかったおもちゃは、これを機に捨てられて、むしろ良かった。モモ、分かっていたんだよね(絶対違うけど)。

娘に付き合ってくれたモモ

 2つの事件で、モモと娘に亀裂が走ってしまったように感じた数日後。今度は娘がモモに“仕掛け”たんです。

 平日の日中は保育園に行っている娘が、コロナの影響で休園になり、1週間ほど家にいる生活が続きました。

 元気な体で家遊びをする中、やることがなくなり、「猫と遊べば良いじゃないか」という原点を思い出した娘。いや、その猫が相手にしないから遊べないんだけどね……ということも忘れ、不意にその場にいたモモを誘い始めました。

 娘「モモちゃん、あーそーぼー」

 急に何なのよ、といった表情のモモ。体を丸めて、娘を睨みながら佇んでいます。

 娘「ママ―!モモちゃんのおもちゃ、ちょうだい!」

 猫はおもちゃがないと遊ばないことを学習している娘。猫じゃらしを手に入れます。

 娘「モモちゃん、モモちゃん!」

子どもと猫
これでも、かなり近い距離にいる娘とモモ

 猫じゃらしの使い方を改めて私に教わり、モモを誘います。モモは、意外にも遠くに逃げず、娘に付き合います。とはいっても、手も足も出さず、おもちゃをじっと見据えているだけの状態です。

 今までなら、「付き合ってられないわ」とばかりに、サッサーと行ってしまうモモが、今回はなぜか逃げません。

 娘「モモちゃん、おいで~」

 根気強く、なるべく静かにモモを誘っていた娘ですが、そこは3歳児。我慢できずに奇声まじりの大声で「モモぢゃーーーん!!」などと叫び始めたので、さすがにモモも「もう限界よ」とばかりに、暗い部屋の隅の猫ベッドに逃げ込んでしまいました。

 娘「ああ~ん、いっちゃったぁ」

 娘は、モモが去ってしまったのは自分の奇声が原因だと理解でき始めているので、深追いはしません。

 わずかではありますが、娘に付き合えるようになったモモ。2人(?)の距離は近づき始めている……。娘がもう少し成長すれば、仲良くなれそうな光が見えてきました。

(次回は4月21日公開予定です)

【前の回】ブラッシング嫌いな「モモ」も大喜び!? 換毛期到来でブラシを新調、その反応は?

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

sippoのおすすめ企画

sippoの投稿企画リニューアル! あなたとペットのストーリー教えてください

「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!

この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
Follow Us!
編集部のイチオシ記事を、毎週金曜日に
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。


動物病院検索

全国に約9300ある動物病院の基礎データに加え、sippoの独自調査で回答があった約1400病院の診療実績、料金など詳細なデータを無料で検索・閲覧できます。