ブラッシング嫌いな「モモ」も大喜び⁉ 換毛期到来でブラシを新調、その反応は

 もうすぐ、ちょっとだけ憂鬱な季節がやってきます。

 換毛期。それは、たいてい春先と晩秋にやってきます。飼い主にとっては猫の抜け毛との闘い。猫にとっては、季節に対応するための不可欠な準備期間です。

春の換毛期が到来

 特に春先の換毛期は、フカフカの冬毛がドンドン抜けていくため、こまめな掃除が必要になります。我が家では毎年、2月には抜け毛が増え始め、猫アレルギー&花粉症持ちの私にとっては花粉の飛び始めとも重なるため、そんな意味でちょっぴり憂鬱。

 猫が移動するたびフワフワと毛が舞うようなことがないよう、日ごろからブラッシングで毛を取っておくことも大切です。猫がグルーミングで毛を大量に飲み込んでしまうのを防ぐことにもつながります。

ブラッシング大好き猫「あんず」

 ブラッシングは、サビ猫のあんずには毎日行っています。

 あんずの場合、ブラシと同様に掃除用の粘着テープで体をコロコロされるのが大好き。床に落ちた細かいごみを取ろうと“コロコロ”を持つと、どこからともなく「にゃーん」と鳴きながらすり寄ってくるあんず。

「アナタじゃないよ」

 と言いながらも、目の前にふかふかの小さな背中を差し出されると、コロコロしてやらないわけにはいきません。

膝の上に乗る猫
かわいい背中をアピールするあんず

 あんずの背中にコロコロを当てると、喉をゴロゴロさせて大喜び。割と強力な粘着テープで、「バリバリ」という音を立てながらコロコロしてやっても「クゥ~」と至福の声を上げます。毛流れに沿ってしばらコロコロしたあとは、毛並みに逆らってコロコロ。すると毛がたくさん取れる一方、ボサボサ状態になりますが、あんずは「にゃごーん(もっと)」と喜びます。ふつう、猫は毛並みと逆に毛づくろいをすることはないので、あんずは変わっているかもしれません。

 あんずはそんな様子なので、毛はごっそり取り放題。もともと、あんずは毛の密度が高くない猫なので、毎日の毛の処理はほぼ完璧といえます。

ブラッシングが大嫌いなモモ 

 一方、キジトラ猫のモモはブラッシングが大嫌い。モモも短毛種とはいえフカフカの毛が密集している猫なので、あんず以上にブラッシングしてやりたいところ。

 しかし、あんずとは逆で、モモはコロコロを近づけると素早く逃げてしまいます。ブラシも然りで、数日に1度、押さえつけてブラッシングするのがやっとです。

猫とコロコロ
これ以上コロコロが近づくとモモは逃げます

 いろいろなブラシで試してもダメなので、もうとにかくブラシが嫌いなのだろうと半ば諦めていました。

ブラシを新調!ブラシ嫌いな猫の反応は?

 そして先日、久しぶりに猫用のブラシを新調。「ピロコーム」というもので、皮膚へのあたりが優しく、抜け毛が飛び散りにくいという、猫にも飼い主にも嬉しいブラシ。ブラッシング嫌いの猫にもおススメだそう。

 見た目もかわいらしいので、これならモモもブラッシングさせてくれるのでは?いや、モモならどんなブラシが来たところで、ビビるはず……。など妄想を膨らませ、ネットで注文したブラシの到着を待ちました。

「ピロコーム」が到着して早速、あんずに試してみました。

猫のグルーミング
あんず「コロコロもいいけど、ブラシもいいね」

 ブラッシング大好きなあんずは、どんなブラシでも喜ぶので比較しにくいところですが、人間にとっては毛の通りが良くブラシがかけやすく、毛が飛び散りにくい印象でした。掃除も簡単で、これは良い!

 あんずがあんまり喜ぶので、モモも気になったようで、近づいてきました。

「モモちゃんもブラシ、やる?」

 そうモモに聞いてみると、ビビりながらも「やってみようかしら」と言っているような気がしたので、モモがあんずに気を取られている隙に、ササッと背中にブラシをかけてみました。

 すると、モモはブラシをかけていることを気にすることなく、そのまま何度かササッとブラッシングさせてくれたのです!

 モモを押さえつけることなくブラッシングできるなんて、今まで経験がありません。

抜け毛のニオイを嗅ぐモモ。隣には「もっとブラシを」とあんずが順番待ち

 喜ぶあんずを見て「羨ましい、私も」という気持ちが、ブラッシング嫌いな気持ちを上回ったのか……?いや、今までだって、あんずがブラッシングやコロコロで喜んでいる姿は何度も見ているはずなので、やはりブラシそのもののおかげと言わざるを得ません。

 もっと早く買えばよかった……!そう思いましたが、その後、モモにピロコームを見せるとビクビクし、“2掻き”くらいは押さえなくてもさせてくれますが、結局逃げるのでした。……なんで?

猫2匹
モモ「やっぱりちょっとコワい」

 ビビりで繊細なモモなので、色々なタイミングが合ったときのみ、気持ちよくブラッシングさせてくれるのかもしれませんね。

 あんずは、オヤツ要求で鳴いたときにピロコームでブラッシングしてやると、オヤツが食べたかったことは忘れて、ブラシのみで満足してくれるので助かっています。

 ドーム型の猫ベッドは失敗しましたが、このブラシは良い買い物だったと言えます。

(次回は3月17日公開予定です)

[前の会]寝言のクセがスゴイ!? 実家猫の甘えた鳴き声に癒やされた年始

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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