「動物のために何かしたい!」 犬仲間がつながってチャリティーイベントを企画
公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。「犬や猫のために何かをしたい」とチャリティーイベントを企画した女性たちを紹介します。自分のため愛犬のため、を超えて恵まれない犬猫のために軽井沢でつながった動物愛のカタチ。あなたも一歩踏み出すヒントにしてみませんか?
犬のために移住する街、軽井沢
週末だけ別荘を利用する人も多いですが、暑すぎる都心を離れ緑豊かな軽井沢に移住する愛犬家はけっこういます。今回イベントを企画した三木千賀子さんも、その一人。三木さんは、ビーズ作家として著書本数冊を持ち、テレビ東京の「TVチャンピオン ビーズ王選手権」優勝という経歴のある方です。犬とビーズをコラボしたブランド「Only wan」を立ち上げるほどの愛犬家でもあります。愛犬のヒュー君は黒いトイプードルのイケメン君。
「アニドネフェスティバルin 軽井沢、というチャリティーイベントを企画してるんです。動物たちのために何かしたくて」と三木さんからアニドネにご連絡をいただいたのは数カ月前。実はアニドネは自分たちで主催するイベントはあまりやっておりません。会場探しからコンテンツ作り、集客までを考えるとなかなか実施に至らず、の状況でした。
だから、とてもありがたいお申し出ではあるものの「なぜ?」という疑問もわきました。
「役に立ちたい」実はみな同じ思いだった
三木さんは、イベントを行う理由について、こう話してくれました。
「軽井沢で愛犬家の方々と親しくなり、恵まれていない状況のアニマルたちのためになることができるのではないかと思い、企画を提案しました。すると、みなさんが口々に『いいアイデア!ぜひお手伝いしたい』と。愛犬家の思いは一緒だと感じ、また場所や出店者などがトントン拍子に決まり、これは開催できると確信しました。私を含め、気持ちはあるけど動き方がわからないという方が多いのではないでしょうか。ここはひとつ、乗りかかった舟、言い出した私ががんばるしかない、出来ることは今しなくてはと!と覚悟を決めたんです」
イベントは、集う方々に楽しんでもらわなければなりません。そこで、プロカメラマンの杉本奈々重さんへ打診。快く賛同してくださったそう。それから、イラストレーターのHiro.Motohashi氏もスケジュールを空けてくださいました。撮影代やイラスト代の一部をチャリティーにしてくださることも、ご快諾されました。
そして、協力を名乗り出た運営メンバーたちも自分たちにできることとして、家にある使わなくなった犬のお洋服やリードなどを安く販売して、チャリティーフリマを立案するなど、次々とアイデアが固まりました。オンラインチラシを作り、情報拡散する中で、なんと軽井沢新聞にもイベントのことが紹介されたときには「とてもうれしかった」と三木さん。
まさに犬がつなぐ絆。まるで学園祭や部活動のような雰囲気で準備は進んだそう。大人になると仕事以外で一致団結することはあまりありませんよね。「犬が好き」という根底にある同じ思いは、想像以上に私たちのつながりを強くするのでしょう。
イベント後半の日曜日は雨だったものの、2日間で約60名もの方々がイベントに訪れ、チャリティーは100,895円にもなりました。このチャリティーは、アニドネ経由で動物のために活動する認定団体(保護団体や介在団体、伴侶団体、啓発団体で動物のために活動するNPO)に届けられることになりました。
好きなことを楽しみながら社会貢献
人間は本来人に尽くしたいものです。困った人がいたら手を差し伸べたいもの。相手が人間ではなく毛むくじゃらの犬たちであったとしてもキモチは同じだと思います。筆者自身も、犬と暮らし始めて犬トモたちに随分と助けられました。この絆は犬を介しての特別なものです。しつけや食べ物、近所の動物病院情報など。何かあったら助けてくれる友達が近所にできるというのは、犬暮らしで得た醍醐(だいご)味とも言えます。
そして、今回のように犬仲間たちとなにか社会貢献を企画できたら、さらに人生が豊かになると感じます。ボランティア活動に参加すると寿命が延び幸福感も向上というエビデンスもアメリカのハーバード公衆衛生大学院の研究で明らかになっています(*)。個人的には、ボランティアをすることで自分自身のほうが得られるものが大きいと感じています。つながることでパワーをもらえたり、共に解決することで社会の一員としての自分を確認できる。自分たちでいい社会をつくっていける実感は、一歩踏み出したからこそ味わえると言えるでしょう。
ご紹介した軽井沢のみなさんのようなイベントにチャレンジするのはハードルが高ければ、地域の保護活動のボランティアのお手伝いはいかがでしょうか。動物の一時預かりや搬送ボランティアなどは、常に人手不足です。お住まいの行政の愛護センターもボランティアを募集しているかもしれません。
やっと収束に向かいつつあるコロナ。新しいライフスタイルとして、ボランティアを生活に取り入れてみるのはおススメです。
【前の回】ただ寄り添い、人の心を癒やす犬たち 病院や司法の場、障がいがある家族のいる家庭で
(次回は12月5日に公開予定です)
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