大原櫻子さん「声を上げることで救われる命がある」 映画『犬部!』インタビュー
女優でアーティストの大原櫻子さんが、7月22日(木・祝)から公開される林遣都さん主演映画『犬部!』に出演。北里大学(十和田キャンパス)に実在した動物保護サークル「犬部」について描く本作で、大原さんは猫担当となる猫好きの佐備川よしみ役を務めた。大原さんは本作に関わったことで、動物への接し方や考え方が大いに変化したと言う。
猫ちゃんとの共演も信頼関係が大事
原案は、片野ゆか著「北里大学獣医学部 犬部!」で、主人公の花井颯太(林遣都)が動物を守ろうと「犬部」を設立した学生時代と、獣医師となって以降も同じ信念を持ち続け、奮闘していく16年後が描かれる。颯太のモデルとなったのは、現役の獣医師・太田快作氏だ。
「最初に原案を読ませていただいた時は、とても考えさせられる内容だと思いました。でも、映画の脚本は、林遣都さん演じる颯太さんと中川さん演じる柴崎さんとの掛け合いや、颯太さんと安藤玉恵さん演じる看護師さんとのやりとりなど、クスッと笑えるセリフもあって、動物たちとも共演できるし、撮影がすごく楽しみになりました」
劇中で猫たちを愛でる穏やかな表情が印象的な大原さんだが、実は犬や猫を飼ったことがなかったそうで、動物のプロダクションZOOプロの方から手ほどきを受けたそうだ。
「最初は猫ちゃんとの接し方が全然わからなかったので、子猫を手にするシーンでは絶対に落とさないように大事に扱おうと必死でした。でも、逆に人間がビビってしまうと、猫ちゃんのほうもブルブルと震えてしまうんです。だから『大丈夫だよ』とどっしりと構えて抱っこするようにしたのですが、やはり猫ちゃんとの共演も信頼関係が大事だなと思いました。
また、動物たちが人に寄り添う姿を見ていて、もしかして人間以上に察知能力があって、人間の心がわかるんじゃないかと思ったりもしました」
声を上げることの大切さを知った
大学時代は「犬部」に所属し、卒業後は大学の研究員となったよしみ。そこには動物を守るためのワクチンを開発したいという情熱があった。
「36歳になったよしみが、後輩の田代くん(坂東龍汰)に、自分が猫たちを救えなかったというつらい過去を吐露するシーンがあります。きっと実際に動物たちの病気などを研究されている方も、そういった経験をされることがあるんだろうなと思い、そこはすごく大切に演じようと心掛けました。でも、苦しいとか悲しいとか、そういったひと言では済まされない内容だったので、しゃべっていて泣きそうになりました」
よしみ役を演じて、様々な動物とふれ合えたことで、いろいろな気づきがあったという大原さん。
「獣医さんは好きな動物に囲まれている毎日ですが、実はいろんな思いがあるんだなと痛感しました。生き物が相手だから可愛いだけではいられないし、苦しくてつらいことも目にしなければいけない。きっと獣医さんたちは動物たちに対して、私たち一般人が抱く愛情を超えた、大きな愛を持っているんだろうなと思います」
確かに劇中では、動物保護などの問題提起もされていくが、大原さん自身も本作の出演を経たことで大いに感化され、声を上げることの大切さを実感したそうだ。
「これまでにも、保護猫や保護犬の問題を耳にしたことはありましたが、どうしてもつらくて目を背けていました。でも、今回いろいろな本や資料を読ませていただき、今日もどこかで不幸な動物がいるという現状を知り、私自身を含め、意外と知らないことが多いなと感じました。
それで、保護猫や保護犬たちを救えたらもちろんいいけど、たとえ小さなことでもいいから、何か自分にできることはないのだろうか?と考え、周りに伝えていくこと自体が大事だなとも思いました。
太田快作先生は行動したことで、何百何千匹という動物たちの命を助けてきましたが、誰かひとりでも声を上げることで、救われる命が絶対にあるはずだなと。ぜひこの映画を観ていただき、未来の1匹のために、自分が感じたことをどんどん広めていっていただけるとうれしいです」
- 『犬部!』
- 2021年7月22日(木・祝)全国ロードショー
監督:篠原哲雄 脚本:山田あかね 原案:片野ゆか「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社刊)
出演:林遣都、中川大志、大原櫻子、浅香航大ほか
配給:KADOKAWA
『犬部!』公式ホームページ
(c)2021『犬部!』製作委員会
(写真:高木亜麗)
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