17回目の「うちの子記念日」を迎えた愛猫 指折り数えて待ち続けたこの日がついに

ケーキと2匹の猫
ケーキをのぞき込むはっぴーとイヌオ(右)

 我が家のいとしい老猫「イヌオ」が先日、家にきて17回目の記念日を迎えました。迎えた時は生後1カ月くらいだったので、17歳の誕生日も一緒にお祝いしました。加齢が進むなかでの、うれしいひととき。最近、彼氏っぷりを発揮している3歳のはっぴーも、この日は目を輝かせていました。

(末尾に写真特集があります)

今までにない記念日

 毎年、10月の第4日曜日はイヌオと出会った特別な日。保護猫なので正式な誕生日はわからないし、休日だと忘れないので、“うちの子記念日”としています。

 今年、春にイヌオの意識が遠のき、夏には食欲と元気をなくし、血糖値や腎臓の数値もあがっていったので、秋に記念日を迎えられるか、正直なところわかりませんでした。

 あと少し、もう少しと指折り数えながらも、内心はらはらしていたのです。

 そしてよく晴れた当日の朝。元気にニャ~(ごは~ん)とイヌオが鳴いた時、本当に嬉く思いました!ついに17回目の記念日、そしてセブンティーンです。

2匹の猫
ちゅーるでお祝いの文字を描きました

 ふだんは忙しさもあり、記念日はさらっと過ごしてしまう私ですが、今年は特別な思いでした。気合を入れてケーキとプレートを注文。ロウソクなんて1カ月前からお守り代わりに準備。猫も一緒に食べられるケーキも探しましたが、糖尿ですからね。イヌオ用にはチュールでお祝いの文字を描きました。

 しかし不器用な私は、チュールを絞り袋に入れて「おめでとう」の文字を描くのも一苦労。へたな字をみながら、こんなぶきっちょな飼い主のもとで、よく17年も育ってくれたなと思ったものです。

17年前の出会いを思い出して

 7年程前に糖尿が発覚、5年前に先住猫のルナと別離、3年前にオスの保護猫はっぴー(ふまたん)を迎え……節目ごとにいろいろなシーンを思い出してきましたが、17歳を迎えて浮かんだのは、イヌオが赤ちゃんの時のことでした。

 イヌオを迎える7カ月前、私は黒猫クロを9歳で亡くしていました。

 初めての猫でしたが難しい病気になり長く闘病し、病院でのミスも重なり、ショックでした。仕事を休み、外で黒猫を見るとわ~っと泣き出して。ルナはいたけれどなかなか立ち直れませんでした。

 しばらくして仕事を復活し、栃木で犬のしつけ教室や犬猫の保護施設を営む歌手の佐良直美さんを尋ねた時に、黒猫を亡くして寂しくて……と帰り際にぽろっと話したのです。それから少しして、思わぬご縁を頂きました。

子猫
幼き日のイヌオ

「栃木で保護した黒猫が、横浜の譲渡会に参加します」と連絡を頂き、見に行ったのです。その瞬間をよく覚えています。緑色のリボンを付けた小さな黒猫をみて、「わっ、顔が逆三角で丸顔のクロと違う。目の色もクロの緑と違う黄色だ」と比べてしまいました。

 それでも私が人さし指を差し出すと、子猫はぺろっとなめてくれて、それがイヌオを迎える大きなきっかけになりました。

メス同士でまさかの大げんか

 先住のルナは、その時5歳。耳が先天的に悪かったけれど、クロに可愛がられ元気な(ちょっとぼーっとした面もある)猫に育っていました。

 一方、イヌオは今の“まったりゆったり”からは想像もできないほど俊敏で目つきも鋭い。ルナの背中に顔を埋めていると思ったら、がぶがぶとかんでいたり、小さな体でいばりんぼ。時々、「あんた先にいるからって何よ」と、ばかにしたような感じでルナを見ることもあり、私はつい、クロはルナに優しかったのに……と、比べてしまうのでした。

 事件が起きたのは家に来て2カ月後。大みそか、ちょうど年が変わろうかという時に、廊下から「ぎゃーっ」と声が聞こえまた。てっきり、イヌオが調子に乗ってルナをかんだのかと思ったのですが、逆でした。

 イヌオのシッポに傷ができていて、どんどん腫れてきて、触ると痛がります。

黒猫
病院でシッポを処置したイヌオ「ここどこ?」

 どうやら、やられたルナが「堪忍袋の緒がきれた」「やられやらやり返すにゃ」とかんでしまったよう。今までもルナから仕掛けたことはありません。お正月にやっている病院を探して、駆け込みました。

一気に湧きあがった愛情

「おお、がっつりかまれてますね」

 病院で獣医さんに診てもらう時、イヌオは診察台で立ち上がり、私にしがみついて、きゅーんと鳴きました。そのまま離れないので、しがみつく格好でうみを抜いたり注射をしたのですが、その姿に私もきゅーん。この子を大事にしなきゃと、一気に思いがこみあげました。

「ごめんね痛かったね、クロと比較したことも、ごめんね……」

 私は震える小さな体を抱きしめました。イヌオはその時以来、“やるときはやる”先住のルナを少したてるようになり、私に対して、前より甘えるようになったのです。

17歳の今、年下の彼氏と

 あれから17年。

 今は、ルナと同じキジ模様のはっぴーと一緒です。はっぴーはやんちゃな男子だし、それこそ折り合いには気をつけていましたが、イヌオははっぴーをすぐに受け入れ、一方のはっぴーも、(イヌオが弱々しくなってきた)昨年あたりからは「オレが守る」といわんばかりに、寄り添うようになりました。

2匹の猫
17歳のイヌオを抱きしめる3歳のはっぴー

 最初は、親子みたいな関係だと思っていたのですが、今は年の差カップルみたいです。

 イヌオちゃん、はっぴーも私もあなたのことが大好き。この冬もあたたかくして、一緒に過ごそうね。

 17歳、おめでとう。17年間、ありがとう。

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藤村かおり
小説など創作活動を経て90年代からペットの取材を手がける。2011年~2017年「週刊朝日」記者。2017年から「sippo」ライター。猫歴約30年。今は17歳の黒猫イヌオと、3歳のキジ猫はっぴー(ふまたん)と暮らす。@megmilk8686

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この特集について
ねこ飼い日記
古い魚屋の天井が崩れ、落ちてきた子猫「はっぴー」。その成長と、引き取った筆者との生活ぶりを同時進行でつづっています。
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