老犬のトリミングは何歳まで必要? 飼い主が自宅でできる愛犬ケアとは
愛犬が若いうちにしておいた方がいいことってあるの? 年をとってきた愛犬の変化に戸惑う、正しいケアができているか不安……など。意外に知らない犬のこと、多くありませんか? 快適な老犬ライフを送るために知っておきたい老年期について、毎月第3火曜日にお届けします。
第6回テーマは「トリミング」について、苅谷動物病院グループ総院長の白井活光獣医師にお話を伺いました。
トリミングの目的は、清潔を保つことと健康維持
トリミングとは、広い意味でスキンケアのことです。カットしてきれいに毛を整えるだけでなく、愛犬の清潔を保つため、また健康維持のためにもトリミングは欠かせません。また、室内で飼っている、屋外で飼っているかどうかは関係なく、『スキンケアをするにあたって、その子にとって何がベストなのか?』ということです。
トリミングは、シャンプー、カット、爪切りのイメージが強いですが、歯磨きなどの口腔ケア、耳の掃除(目に見える範囲で十分)、目ヤニのケア、肛門(こうもん)腺絞り、老犬だとオムツかぶれや床ずれなどのケアも必要になってきますね。
年をとった子は、フケっぽくなったり肌がベタベタにならない程度に、シャンプーの回数を減らしても大丈夫です。肌がきちんとしていないとバイ菌が繁殖するかもしれませんので、肌の状態をよく見てあげましょう。
飼い主がトリミングをしてあげることのメリット
サロンでトリマーにお任せする、自宅で飼い主が行う、動物病院で獣医師にお願いする等、トリミングはどんな方法であってもかまわないと思います。
できれば、先ほど申し上げたような基本のケアを飼い主さんができるといいですよね。そういうことが自宅できると、早く愛犬の異常に気付いてあげることができます。
ただ、愛犬が嫌がることを自宅で無理にやって、自宅が愛犬にとって嫌な環境になってしまうのもよくないので、もし飼い主がトリミングをして嫌がるのであれば、サロンや動物病院に任せるのもいいと思います。
サロンに預けるのに年齢制限はない、愛犬にストレスを与えない範囲で
トリマーによるサロンに預けて行うトリミングでも、その子が落ち着いていてくれるなら、特に年齢制限はありません。
もし、10歳過ぎてから突然サロンでのトリミングの習慣が始まってしまったらストレスになるかもしれませんが、小さいころからの習慣であれば、高齢になってもストレスにはならないと思います。健康維持のためにもトリミングは大事だとおもうので、年をとっても継続していいと思いますよ。
体的には、心臓が悪くなってきたり、足腰が弱ってきたりしますから、長時間我慢してずっと立っているのは大変になってくるかもしれないですよね。
我慢できなくなって急に興奮しだすこともあるかもしれないし、昔は大丈夫だったのに、顔など触られるのがいやになったりすることもあるかもしれません、若いころに比べてストレスを感じやすくなっている可能性もあるわけです。
その子の状態をみながら、どのような方法がベストなのかを飼い主さんがきちんと考えましょう。
健康面で不安なら、動物病院でもトリミングをお願いできる
動物病院でもトリミングを行っています。例えば脳の病気を持っていて、サロンで受け入れてもらえない子など、月1回や2カ月に1回など、マッサージしながらシャンプーして、ドライヤーをかけてふわふわにしてあげると気持ちよさそうに寝ていたりします。犬自身も臭いなどは自分で気になると思いますから、きれいにしてもらうとうれしいのではないでしょうか。
病院でトリミングを行う場合は、健康チェックも同時にします。病気でなくても、それだけのために来院される方もいらっしゃいます。また、今は動物病院とサロンが一緒になっているところや、トリマーがいる動物病院などもありますので、愛犬の健康面が不安である場合はそういうところにお願いするのもよいかもしれませんね。
- 監修:白井活光
- 苅谷動物病院グループ総院長。獣医学博士。1998年日本大学大学院卒業。同グループ「三ツ目通り病院」や「葛西橋通り病院」の院長を歴任。2015年から現職。日本臨床獣医学フォーラム専務理事。専門分野は総合臨床。
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