飼い主のおばあさんが入院 行き場を失った猫を引き取った

 一人暮らし高齢者の入院や施設入所、死亡などによって、飼っていたペットが行き場を失うケースが後を絶たない。在宅診療をしていた高齢者が重い病気で入院。息子夫婦はアレルギーのため猫を飼えなかった。見かねた医師とその妻が、猫を自宅で引き取ることにした。

(末尾に写真特集があります)

おばあさんの入院と飼い猫

 関西地方に住むKさんの夫は開業医で、往診もしている。在宅診療をしていたおばあさんの体調が悪くなり、入院治療が必要になった。

 おばあさんは一人暮らしで、「るーちゃん」という猫を飼っていた。おばあさんはるーちゃんを可愛がり、るーちゃんはおばあさんのひざの上が大好きだった。おばあさんが入院した後、るーちゃんの引き取り先はみつからず、心配したKさん夫婦が預かることにした。それを入院先で知ったおばあさんは、「それはよかった」と安心した様子だったという。

ベッドも何もかもお花づくしだよ
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 おばあさんにはよそで暮らしている息子夫婦がいて、息子が来ると、るーちゃんは甘えていたという。Kさん夫婦は、「るーちゃんは息子さんに懐いているようだし、本当は息子さんが引き取るのが幸せ」だと思い、診療所で息子夫婦と話し合った。

 息子夫婦も引き取りたいと考えていたが、息子の妻がひどい猫アレルギーで、結局断念せざるを得なかった。

 このため、Kさんは「うちの子にして、大事にします」と言い、201612月、正式に引き取った。るーちゃんは当時8歳くらいだった。

いっぱい甘えてほしい

 こうして、るーちゃんの新しい生活が始まった。一緒に暮らすようになると、好みも分かってくる。るーちゃんは、海苔が大好き。海苔を食べていると、いつもは控えめなるーちゃんが飛んでくるという。

 Kさん宅にやって来てすぐ、るーちゃんは血尿が出たり、背骨に痛みが出たり、てんかんの発作が出たりした。すぐに動物病院にいき薬を飲ませると、それも順調に快復した。

正座してママの話に耳を傾ける
正座してママの話に耳を傾ける

 今では、先住猫たちと追いかけっこをするぐらい、Kさん宅での暮らしになじんできている。

「とてもおとなしくて、いじらしい子です。気を遣っているのが分かるので、もっと安心して、いっぱい甘えてほしいです」とKさんは話した。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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