母猫から追われ、ひとりぼっちになった子猫 見かねて保護される
野良猫から産まれた子猫。母猫は乳離れをした子猫を突き放すようになった。たった1匹で途方にくれていた子猫は、不憫に思った人に引き取られた。
お母さん猫に突き放されて
大阪府に住む宮沢さんの職場の天井裏で、野良猫が5匹の子猫を産んだ。前の年にも天井裏で子猫を産んだ同じ母猫のようだった。
5匹のうち2匹は行方不明になり、2匹は宮沢さんの知り合いが引き取った。残る1匹のキジシロは、乳離れをすると、母猫からシャーっと追い立てられて、行き場もなくうろうろしていた。子猫がお母さん猫の近くに行きたがっているのは、はた目にもよく分かった。
保護猫ボランティアもしている宮沢さんは、当時家で2匹の黒猫を飼っていたが、ひとりぼっちの子猫を見かねて、保護することにした。2010年8月のことだ。
朝晩ごはんをあげていたので、子猫は「おいで」と言うと寄ってきた。宮沢さんはキャリーケースの中まで子猫を誘導して、捕獲した。
あごひげから「水戸ちゃん」に
宮沢さんの家に引き取られた子猫は、あごひげのような毛があって、耳がとがっていたので、水戸黄門にちなんで「水戸ちゃん」と名付けられた。
先住猫の黒猫2匹は、水戸ちゃんより半年くらい年上のお姉さん。2匹は仲がいいのだが、あまり他の猫を寄せ付けないので、水戸ちゃんは甘えたくても寄り付けなかった。もっとも3匹は一定の距離を保ち、ケンカになることもなかった。
水戸ちゃんは生後半年くらいの時に猫かぜをひいたものの、その後は元気に育った。多くの猫は女の人が好きだが、なぜか水戸ちゃんは男性が大好きなんだという。
「柿が好物なんです。シャリシャリと食べるんですよ。レタスとか小松菜も大好きです」
宮沢さんは愛おしそうに水戸ちゃんをながめて語った。
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