同棲カップルが破局し、残された犬2匹 そこに救いの神が現れた
同棲して2匹の犬を飼っていたカップルが破局。2匹はもともと女性が買ってきた犬だったが、女性は犬を置いて出て行った。犬を持てあました男性は、どうしていいのか分からず、友人に相談。そこに救いの手がさしのべられた。
置き去りにされた犬
「ゆうたん」と「ちいたん」は、ともに黒いポメラニアン。大阪府内で同棲していたカップルが飼っていた。彼女のほうが最初に小さな「ゆうたん」をペットショップで買ってきて、半年後に大きい「ちいたん」を買ってきた。その後、カップルが破局し、彼女が「犬はいらない」と、家に置いて出て行ってしまった。
男性は1年ほど、室内で犬をケージに入れて飼っていた。男性が仕事から帰り、ベランダに出してもらう時だけが、唯一、2匹が外気に触れて“散歩”する時間だった。
男性は面倒を見切れず、友人に「これ以上犬を飼い続けることはできない、困った」と相談した。2014年秋のことだった。
カットしてもらい譲渡会に参加
男性から切羽詰まって相談された友人は、また別の友人に相談。大阪に住む宮本さんはその友人から、2匹のポメラニアンの話をきいた。
ちょうど譲渡会の予定が翌月にあったので、宮本さんは「譲渡会に出してみませんか」と提案し、男性は同意した。
あまり汚い状態では譲渡会にも出せないと、男性と友人がトリミングに連れて行った。2匹がトリミングをしてもらっている時、たまたま友人と電話で話した宮本さんは、少しでも可愛く見えるように「くまちゃんカットにしてほしい」とトリマーさんに伝えてもらった。しかし、トリマーさんからは「くしゃくしゃで、そんなことできるような状態じゃない」と言われた。それでも、なんとかきれいにカットしてくれたそうだ。
譲渡会の参加には血液検査など最低限の健康チェックも必要で、男性は動物病院で検査を済ませてきた。
宮本さんは、男性と友人に付き添って譲渡会に参加した。しかし、2匹の譲渡先は決まらなかった。
宮本さんは結婚した時に飼った犬を亡くしてから9カ月ほど経っており、犬を受け入れられる状態だった。最初は、預かりボランティアのつもりで、「ゆうたん」と「ちいたん」を預かることにした。2匹は2014年のクリスマスに、宮本さん宅にやってきた。
はじめて愛情をかけられて
宮本さんは2匹を連れてその後も譲渡会に参加した。いい話もあったが、譲渡希望者の都合で成立しなかった。「ちいたん」の方が人気だった。
結局、2018年4月、宮本さんは2匹とも譲渡しないで家で飼うことを決めた。
「十分に愛されたことがないので、人にどう接していいのか分からず、とまどっているようでした。お散歩していても、『ちいたん』が『ゆうたん』にマウントするので、最初は全然楽しくなかったんです」
元の飼い主の男性は、何度か2匹に会いにやって来た。宮本さんが「寂しくないですか」と尋ねると「寂しいですよ」と。しかし、「『ちいたん』可愛いですね」と言うと、「えっ、『ちいたん』が?」と驚いていたという。
「ちいたん」は、可愛がられた経験が乏しいので、最初はおどおどして、甘えることもなかった。そこで宮本さんは「ちいたん」の扱いには細心の注意を払った。いっぱいほめて、なるべく怒らないようにすると、おとなしくて可愛い子に成長したという。
一方「ゆうたん」は、カップルから曲がりなりにも愛情をかけられていたようで、わがまま放題、やりたい放題の子だった。
その後、2匹は宮本さん宅でたっぷり愛情を注がれ、幸せに暮らしている。
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