猫のカワイイ葛藤 1歳児がコワいけど、オヤツは食べたい…
猫たちのトイレと食事場所などを1歳の娘が触れないようにするため、ベビーゲートを設置し、ゲートの一部をのこぎりで切って、猫専用の出入り口をつくった、と前々回の連載に書きました。
設置したばかりの頃は、反対側からおもちゃで誘わなければなかなか通ってくれなかった猫たちでしたが、2週間以上経った今では、猫たちにとってすっかりおなじみの通り道となってくれました。
ビビり猫のモモの反応は?
特に、ビビりのキジトラ猫「モモ」は警戒心が強く、狭い出入り口を通るどころか、そびえ立つゲートと、ゲートの台座の触り心地(普通のプラスチックですが…)にびくびくしておりました。
しかし、幸いにもゲートのすぐそばには、モモの大好きなゴハンがあります。
「モモちゃん、ごはん食べな~。そこ通ってくれば食べられるよ」
など声をかけて誘っていると、するする通るようになりました。モモの食いしん坊が、ちょっとした恐怖心を乗り越えてくれたのです。2日も経てば、ゲートがずっとそこにあったかのように、好きに行ったり来たりするようになり、一安心です。
小さな“門番”にびくびく
一方、サビ猫の「あんず」は、好奇心が旺盛なためか、むしろ面白がって、用もないのに行ったり来たりするようになりました。遊びがひとつ増えたようです。
しかし、最近ちょっとした葛藤と戦っています。
ゲートを通過することは問題ないのですが、そのゲートの前に“門番”が立っていることがあるからです。
小さな門番こと1歳の娘は、猫らがゴハンを食べるために必ずゲートを通ることに気づき、たまにゲート前で待ち構えているのです。
何せ我が家では、いまだに猫たちは娘に心を許さず、あまり触らせてくれないので、猫に触りたい娘が強硬手段に出たわけです。
チャンスは猫のおやつの時間。あんずは毎回、おやつを食べたい気持ちと、娘がコワい気持ちをてんびんにかけ、結局おやつを食べたい気持ちが勝ちます。その勝率はなんだかんだで10割です。結局食べるくせに、毎回気持ちを戦わせるところが、カワイイのです。
娘と自宅に帰ると、いつものようにあんずが“アタシのおやつー! おやつを出してー!”と鳴いてアピール。
キッチンまでついてきて、おやつの袋を出すと、“それそれ、早く出してぇー”と私の足元をウロウロ。私が食事場所までオヤツの袋を持っていくと、あんずはさっきまでのワクワク顔を曇らせ、足を止めます。
なぜなら、ゲートの前に“門番”が登場したからです。ゲートの前で遊びながらも、猫を気にする娘。
早くおやつが食べたい気持ちと、娘に接近するのがコワい気持ちを戦わせ、足踏みするあんず。
「あんずー、おやつ出すよ? 娘に食べられちゃうかもよ?」
そう誘うと、“ウーン、それだけはイヤ”とばかりに、タタタっと小走りで寄ってきます。
しかし、前には「にゃんにゃん(ハート)」と覚えたての人語を発し、どのように動くか全く読めない門番が。
でも、そこはさすが猫。いまいち反応の鈍い門番の目前をするっと抜け、目にも止まらぬ速さでオヤツにありつくことができます。
「にゃんにゃん…」
ゲートの向こう側から残念そうにあんずを眺める門番こと娘。たまに背中を触ることができますが、猫の動きには追いつけません。とはいえ、そこまでのこだわりもなく、すぐに他の遊びを始めます。
こんなやりとりを3~4日に1度ほど繰り返しています。もう少し娘が大きくなって、あんずにオヤツをあげてもらえれば、関係性も変わるかなと思っています。
ゲートに慣れるのは1日もかからなかったのに、娘に慣れるのは1年では足りないようです。
(ヤスダユキ)
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