動物のグリーフって何? 犬猫の目線で考えるとわかること
みなさんにとって、一緒に暮らしているネコちゃん、ワンちゃんはどんな存在でしょうか? 私にとって「くまお」はブラッド・ピッドに見えるというおかしな現象は別として、息子であり、夫であり、父であり、時にはおじいちゃん、人生の師匠にも見えたり……様々な存在でいてくれます。これだけ聞くとただのヤバい人ですね……。
みなさんが暮らしているネコやイヌも「ペット」というよりは「かけがえのない家族」で、その役割も一つではない方が多いのではないでしょうか?
ペットロスは当たり前のこと
動物医療はここ数十年で高度化が進み、昔に比べてペットは病気になっても長く生きられるようになりました。それもあってヒトとどうぶつとの関係はより近く、親密なものになってきているようです。その親密な家族との別れは、想像するだけでも辛いもの。
私は前ネコのみうさんを亡くして喪失感を抱え、その後間もなくくまおを迎え、どこかみうさんへのうしろめたさと一緒に暮らしていました。
阿部美奈子先生に、一緒に暮らしていた大切な家族がいなくなって、ペットロスの悲しみを持つのは「あたりまえ」のことで、無理して忘れる必要もなく、みうさんは心の中に存在し続けて良い、と教えていただき、気持ちがとても楽になったのを覚えています。それがグリーフケアを学ぶきっかけでした。
はじめてグリーフケアをという言葉を聞いて、インターネットで調べたときは「人が亡くなったあとの心のケアや、終末期医療」のことなどが多く出てきました。
ですが、阿部先生から動物医療のグリーフケアを学ぶ中で、引っ越しや環境の変化、大事にしていたものを無くしてしまった時、転職など身近な変化でも人は「グリーフ」(悲嘆)を感じる、と聞き、なるほど! と目からウロコでした。
たしかに私たちは、日々新しいことが起こったり、別れがあったり、グリーフと隣り合わせで日常生活を送っています。
ペットにとってのグリーフ
それは一緒に暮らしているどうぶつ達も同じで、日々グリーフを抱えて暮らしていて、飼い主さんが入院などで突然離れて暮らさなければなくなってしまったり、住み慣れた家から引っ越ししたり、慣れたごはんやトイレの砂が変わったりするだけでもグリーフを抱えることもある、と聞いて、どうぶつたちのほうがヒトよりも狭いテリトリーの中で暮らしているので、日々の暮らしの中の変化は大きく感じるかも知れない、と思いました。
どうぶつたちのグリーフについて考えると、大きなグリーフの一つに動物病院への通院もあると思います(もちろん病院が大好きな子もいますが)。
いつもの快適なお家から連れ出され、知らないヒトといろんな動物の匂いのする場所に行き、冷たい台に乗せられ、場合によってはお尻から体温計なども入れられる……。動物目線で考えると、なんとも怖い場所であると気付きます。
病院によっては、検査で飼い主さんから引き離され、キョエ〜と他のどうぶつの雄叫びが聞こえる中に連れていかれることも。私がくまおだったら、二度と行きたくない最悪の場所、と思うに違いありません。
どうぶつたちの健康のために行く場所とはいえ、どうぶつに我慢させるだけの場所ではなく、動物病院の先生、看護師、飼い主が少し工夫して、ストレスを減らすことができれば、ヒトもどうぶつもハッピーな場所になるはずです。
次回は動物病院に行くとき、ストレスを少しでも減らすために飼い主は何ができるか?を超ビビリなくまおの通院時の変化を通してお伝えしたいと思っています。
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