カラスにつつかれ、血だらけだった猫 老舗旅館の看板猫に
別府の中でも最も標高の高い明礬(みょうばん)温泉にある、明治7年創業の老舗旅館「御宿ゑびす屋」。こちらには来夢(らいむ)ちゃん(推定6~7歳♀)というサバトラの美しい看板猫がいます。通勤途中のスタッフが、カラスにつつかれていた猫を発見し、車で旅館に連れてきたとか。
「うちに来た時は全身血だらけだったんですよ。正直もうダメかと思ったんですが、獣医さんに連れていったらピンピンして戻ってきました。里親を探すつもりが、情が移ってしまい、結局居ついてしまったんです」と女将の本田麻也さんはニコニコ。
女将さんとスタッフのおかげで元気を取り戻した来夢ちゃん。今では旅館の看板猫兼女将の秘書として毎朝のお客様のお見送りと、午後のお出迎えをがんばっています。「自由な猫なので、いつも必ずいるわけではありませんが、だいたいは私の声がするとどこからか走ってきますね」とのこと。
2016年の熊本・大分地震から見事復活し、今年の1月11日にリニューアルオープンしたこちらの旅館。「あの時は余震が怖くて眠れませんでした。いつでも逃げられるように来夢と一緒に毎晩玄関にお布団を敷いて寝ていたんです。でも、いち早く余震を察知した来夢は私を置いて逃げるんですよ」と笑う麻也さん。
その時の反省からか、あるいは猫の恩返しのつもりか、とにかく麻也さんが大好きな来夢ちゃんは、今では麻也さんの隣にちょこんと座って一緒にお客様にご挨拶。そのひたむきな姿がなんとも可愛らしいのです。
(取材・平野敦子)
- 御宿ゑびす屋
- 大分県別府市明礬4 組/TEL 0977-66-0338/休館日:月1回不定休/
http://www.e-ebisu.biz
【関連記事】 箱根のおみやげ屋さんの看板猫 お客さんもニコニコ
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。