Amazonで買って保護施設を支援 犬猫を助ける新しい仕組み

 動物保護施設が必要とする物資を、ネット通販のAmazon(アマゾン)で買うと、直接施設に寄付される「動物保護施設 支援プログラム」が6月から始まった。金銭による寄付と違い、贈り主が品物を選んで形にして贈ることができる仕組み。支援を受ける施設からは「従来とは違う層から物資をいただけて、とても助かる」と好評だ。

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 支援プログラムは、Amazonが支援対象としている動物保護施設が作った「ほしい物リスト」から商品を選んで購入すると、施設に贈られ、保護犬や保護猫のために使われる仕組み。物による支援のため、何に使われたか不透明というようなことも避けられる。

 支援の対象になる保護施設は、動物専門の寄付サイトを運営する公益社団法人アニマル・ドネーションと、保護犬・保護猫のマッチングサイト「OMUSUBI」(お結び)を運営する株式会社シロップが審査・選定している。6月12日に15保護施設から始まり、現在30施設まで拡大している。

 Amazonを運営するアマゾンジャパン合同会社は「プログラムを通じて動物保護施設を支援し、より多くの犬や猫の命を支えると同時に、ペットを迎える新しい選択肢として保護犬・保護猫を譲り受けることが社会に広がることを期待している」としている。

譲渡会で紹介されていた保護犬=アニマルハートレスキューで
譲渡会で紹介されていた保護犬=アニマルハートレスキューで

「殺処分減少」、保護団体に負担

 環境省の統計によると、2017年度には、全国の自治体施設に10万648匹の犬や猫が引き取られ、5万6922匹が譲渡または返還され、4万3216匹が殺処分された。

 殺処分数は20年前の約66万匹から、15分の1程度に減少したことになる。引き取りを制限し、譲渡・返還する数を増やした結果だ。いったん自治体が引き取った犬猫のうち譲渡・返還された率は、20年前の4%から56.5%まで増えていた。

 ただ、この譲渡の大きな部分を支えているのは、動物保護団体なのだ。

 朝日新聞が動物愛護行政を所管する全国115自治体を調査したところ、2016年度には90自治体が、動物保護団体(個人ボランティアを含む)に引き取ってもらう「団体譲渡」を行い、集計のある範囲で少なくとも犬8300匹、猫1万2929匹は保護団体に引き取られていた。自治体から譲渡された犬猫の約45%に上る。

 だが、保護団体が自治体から犬猫を引き出しても、離乳していない、人なれしていないケースなど、すぐに譲渡できるわけではない。また、子犬子猫は希望者が多いが、おとなの犬猫の譲渡は難しく、中には病気やケガを抱えた犬猫もいる。そうした譲渡されにくい犬猫は保護団体で預かり続けることになる。

 このため保護団体は、ペットフード代や医療費など、継続的に大きな資金負担が必要になる。

 これを物資によって直接支援しようというのが、Amazonの「動物保護施設 支援プログラム」だ。

毎週土曜にシェルターで開いている譲渡会=アニマルハートレスキュー
毎週土曜にシェルターで開いている譲渡会=アニマルハートレスキュー

譲渡できなくても、費用がかかり続ける

 横浜市都筑区の「アニマルハートレスキュー」も、このプログラムの支援対象の一つ。

 1996年に横浜市内の野良猫のTNR(捕獲し、不妊去勢手術を施し、元の場所に戻す)から活動を開始。港北ニュータウンにシェルターを設け、1998年から犬や猫の保護、譲渡活動を行っている。現在は犬25匹~30匹、猫80匹ほどを収容している。

 毎週土曜日にシェルターで譲渡会を開いており、1カ月で5~8匹ほどを新しい家族のもとに送り出している。

 駅から徒歩数分の建物をシェルターとして賃借しており、犬の散歩など世話をするスタッフも雇用。家賃、人件費のほか、犬猫の食費や医療費の負担が大きく、月間50万円ほどの運営費がかかる。これまでは寄付をもとに運営してきたが、資金には苦労しているという。

 山本りつこ代表は「犬は譲渡前にトレーニングをする必要があり、成犬成猫になると譲渡率が下がります。病気があると譲渡の対象外になり、ずっと預かり続けることになります」と話す。譲渡できなくても、治療費や食費を負担し続けなくてはならない。

譲渡会で紹介されていた柴犬=アニマルハートレスキューで
譲渡会で紹介されていた柴犬=アニマルハートレスキューで

 6月に支援プログラムが始まると、すぐに物資が届き始めた。7月は1カ月間で55件、計27万円相当の物資が届いたという。

 山本代表は「短期間でこれほどの物資を送ってもらったことはありません。これまで寄付していただいたのはファミリー層が多かったと思いますが、単身の方たちも目にとめて行動してくれているのでしょう」と話す。

 ほしい物リストでは約30品目を希望しているが、特に多く届くのは、おむつやトイレ袋など1000円ほどの商品。「どれも必要な物で助かりますが、できれば、一番必要なフードを選んでもらえるとありがたいです」という。

 また8月以降は送られてくる物資が減ってきたという。「命を預かる活動で、まだまだ終わりがない。継続的な支援をお願いできれば」と話している。

Amazon 動物保護施設 支援プログラム

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