犬1匹、猫8匹のにぎやか家族 この子たちのために、私は生きる!
「あんまり重く受け止めないでくださいね!」と満面の笑みで話し始める海老沼真奈美さん(34歳・神戸市在住)。それは、かつて「いつ死んでもいいや」という考えがあったこと、生きることに消極的で、その意味すらわからなかったという20年を振り返り、はき出した言葉でした。
(末尾に写真特集があります)
そんな海老沼さんの転機は結婚後、犬と暮らし始めたこと。ペットショップから迎えたチワワの「ペペ」(10歳・女の子)が、海老沼夫婦にとって初めてのペットでした。
同じ頃、フルタイムの仕事を辞め、時間に余裕があった海老沼さんは動物保護団体でボランティアスタッフとして働き始めます。ぺぺと一緒に暮らしてから、犬猫の「殺処分問題」を初めて知り、「自分でも何かできないかな?」と、動物保護団体のシェルターの門を叩くことに。今から10年前のことです。
その頃の海老沼さんは猫アレルギーで、犬のお世話をメインに始めました。そこで芽生えた感情は「次にうちに迎えるのは、保護犬か保護猫がいいな」。猫アレルギーを抱えつつも、まだ猫を諦めてないんかーい!と、私は軽く心の中でツッコミを入れたのでした。
そんな気持ちの中、出会ったのが「リリー」「コスモ」「ベル」のきょうだい猫(6歳)でした。朝の散歩中、グイッといつもと違うコースを行くぺぺに導かれ、アパートの植え込みで不自然に置かれたダンボール箱を発見……。いやな予感は的中、中身は生まれて間もない3匹の乳飲み子でした。
行政の殺処分で一番多いのは子猫だと知っていた海老沼さんは、すぐに猫たちを保護。獣医やボランティア仲間にアドバイスをもらい、ただガムシャラに3きょうだいを育て上げました。その間、人間の皮膚科と呼吸器内科に通い、猫アレルギーの薬を服用するのも、忘れずに(アレルギーはその後徐々に緩和、半年後には完治したという)。
その後、再びぺぺのお導きで、「つくし」(推定3歳・女の子)を近くの公園で保護。また同じ年の冬に突然、家の庭にやってきた「むつ」(推定4歳・女の子)をトラップケージで捕獲して、家族に迎え入れました。
さらに6匹目の猫「ミミ」(2歳・女の子)は飼い主が脳梗塞で倒れ、行き場を失っていると聞き譲り受け、2018年10月には、兵庫県の多頭飼育崩壊現場からレスキューされた「くるみ」(推定5歳・女の子)と「ジロウ」(1歳・男の子)を、仲の良いボランティアさんを通じて迎えたのでした。
こうして犬1匹と猫8匹の大家族となった海老沼家ですが、当初は「最初の猫3匹まで」と打ち止めを決めていたようです。しかし、保護犬猫のボランティアをするうちに「一時預かり」をする部屋が必要になるかもと、戸建ての住宅に引っ越したことが転機に。
部屋が増えたとたん、救助が必要な猫と遭遇してしまうスパイラルにハマったのです。「彼らはわかっている、確信犯だ!(笑)」と笑う海老沼さん。さすがに猫8匹と暮らすことになるとは、夫婦ともに想像していなかったようです。
8匹もいると相性が良い猫、悪い猫がいるため、夫婦が家を留守にするときには部屋を分けるなどの工夫をしているそうですが、最後にやってきた新人猫「ジロウ」は唯一、どの猫からも愛される存在(さすが末っ子!)。まだ1歳ということもあり、周りのみんなは手加減しているのか、犬のぺぺも手を出されても怒りもしないといいます。周りをかき乱す無尽蔵のスタミナとそれを可能にする大食漢。寝て起きて遊んでを繰り返すその無邪気な「少年」の様子は、海老沼家の平和のシンボルそのもの。
生きることに消極的だった過去から、今では「犬1匹と猫8匹を見送るまでは絶対に生きないと!」。動物と暮らすことによって起きたこの心の変化、海老沼さんは動物たちから生きる意味と、人生の活力を与えてもらったのでした。
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- 撮影テクニックの説明
- テクニック1【ワンコを撮る】
「待て」や「お座り」といったコマンドで動きを止めることが容易な犬ですが、自然な姿をあえて狙い日常を切り取る。ライブ感を楽しむこと、それは犬にも伝わる。
テクニック2【どこで撮るのか?】
家の中での遊びのシーン。その部屋の光の状況を読むと同時に背景を考える。どこで撮るのがベストか?一度、考えてから撮影に臨むと良い結果が得られるだろう。
テクニック3【シチュエーションを与える】
食事シーンを撮りたいと飼い主さんにお願い。撮影ポジションを決め、あとは「+α」何か生まれることを期待する。(いつもだいたい何かある)シャッターチャンスを逃さないように備えましょう。
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