猫様の大好物、ウェットを切らした! 代わりの品に意外な反応
365日、我が家の猫様たちにご奉仕させていただいているつもりですが、まれにうっかりしてしまうことがあります。先日、猫様が大好きなウェットフードを切らしてしまったのです。猫と暮らし始めて8年経ちますが、初めてのことでした。
朝だけのご馳走ウェットカツオ
毎朝の猫たちのごはんは、栄養満点のドライフードの上に、2さじほどカツオ(ほか、マグロ、ささみ、白身魚、かにかまなど)のウェットフードをトッピングして、健康のために粉末の整腸剤をプラスするのが、我が家のスタイルです。
その毎朝のウェットフードが大好きなのが、サビ猫の「あんず」。ウェットカツオは朝しか出ないことが分かっているので、ウェットへの執着心が強いんです。監視していないと、ウェット部分だけ相棒猫のキジトラ「モモ」の分まで盗み食いしてしまいます。
かといってウェットフードのみにすると割高になるし、色々なものを食べてほしいので、両方混合で与えるようにしています。
以前、朝ごはんの準備中、私がウェットカツオを床にこぼしてしまったことがありました。あんずはそれを狙って、足元にまとわりつき、私の手元をうかがっています。床にこぼしたとしても、爪の先ほどしかありつけなのに、ものすごい執着心です。
そんなにもあんずが大好きなのに、私はうっかりウエットの買い置きを切らしていることに気づかずに、朝を迎えてしまいました。
買い忘れた! 猫にゴメンは通じない
他の多くの飼い主さんと同じように、猫らのごはんの用意は朝一番にしなければなりません。
眠い目をこすりながら、膀胱が満タンであろうと、喉がカラカラであろうとも、猫様たちの朝ごはんの支度を始めます。
その朝も猛烈な尿意を我慢しながら、えさの器を回収し、洗って拭いて、ドライフードをセットし、ウェットカツオをのせようとすると……、どこにもウェットフードのストックがありません。
しまったーーー! 買い忘れた!!
足元には、一日一度のウェットへの期待を膨らませて、キラキラした瞳のあんずがまとわりついていました。
“はやくっ、はやくっ、ウェットカツオ! カツオ! カツオ! あっ、マグロでもいいよ。今、床に落としてくれてもいいよ!”
「ひー、ごめん、あんちゃん。ウェット忘れちゃったよお~」
当然、猫に“ゴメン”は通じません。
ど、どうしよう……と慌てましたが、エサへの期待に胸を膨らませた猫たちを置いて、ボサボサ頭でコンビニに走るわけにもいきません。
仕方がないので、やはりあんずが大好きな、おやつ用のフリーズドライの鶏のささみをトッピングすることにしました。
ウェットなし! あんずの反応は…?
「今日はこれで勘弁してください……」
あんずは、食へのこだわりが強く、ドライフードもウェットフードもおやつも、気に入ったものしか食べません。
今家にあるのは、あんずが厳選した食べ物ばかりなので、このおやつも大好きなはずですが、“朝はウェット”と決まっているので、気に入らない恐れもあります。
楽しみにしていたウェットが食べられなかったら、かんしゃくを起こして暴れるか、鳴いて責め立てるのでは……。
おずおずとお皿を置くと、いつもの朝と少し違うえさを前に、あんずは一瞬だけ戸惑いを見せましたが、すぐにガツガツ食べ始めました。リズミカルに前足をフミフミしていて、満足そうです。“いつものウェット”が頭をよぎったのでしょうが、やはり目の前のささみの香ばしさには、勝てないようです。
あ、おいしければ何でもいいんだ……。あんずの単純……いや、寛容さにほっとした朝でした。
その日は当然、大量にウェットフードのストックを購入しましたが、おわびのために夜に出す……なんてことをすると、あんずが調子に乗って何度も要求してくるので、また翌朝に少しだけ多めにあげることにしました。
“猫様”に仕えている身ではありますが、色々な駆け引きも必要だったりします。
(ヤスダユキ)
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