スーパー駐車場で駆除されかけた子猫 保護されて、幸せに
スーパーマーケットが仕掛けた捕獲器に子猫がかかった。公園に捨てられそうだった、その子猫を引き取った人がいた。
大阪府内のスーパーマーケット。食品を扱うため衛生管理上、野良猫を駆除したかったのだろう。駐車場を出入りする猫を捕まえようと捕獲器をしかけた。残暑が厳しい9月。捕獲器にかかったのは、まだ小さな黒猫の兄弟2匹だった。
偶然、その場に居合わせた保護主さんが、スーパーに子猫たちをどうするのかと尋ねると、「近くの大きな公園に放しに行く」と言う。母猫のいない小さな子猫だけを放っても、生きてはいけない。そこで保護主さんは「私が引き取ります」と申し出た。猫たちを保護し、動物病院で診察してもらってから、保護団体「ワンハート大阪」に連れて行ったという。
その後、2匹は、預かりボランティアのもとで、「ぎょう」くん、「むー」くんと名付けられた。
警戒心の強い元野良の子
元野良猫の2匹は人を怖がった。ボランティアはおやつやオモチャを使って、少しずつ心を開かせていったという。むーくんの方は膝に乗って甘えるまでになったが、譲渡会に出すと、兄弟ともにケージの隅でうずくまってしまっていたという。
大阪府内に住む平松さんは、1年半前に、ワンハート大阪から白猫を譲渡してもらっていた。家族でTNR活動をするほどの愛猫家で、2匹目の猫を探していた。そこで生後約9カ月になったむーくんとぎょうくんを自宅に連れて来てもらった。先住猫がいたこともあって、2匹はハーネスをつけて家族と対面。警戒する2匹に対して、先住猫の方は興味津々だったという。
「ぎょうくんは緊張してソファの陰などに隠れたがったのですが、むーくんはパーカーでくるむようにすると、抱っこさせてくれました。迷いましたが、むーくんのトライアルを始めました」
平松さんはむーくんに「ルナ」くんいう新しい名前をつけた。
まさかの脱走!
ルナくんは当初、ケージから出てくる素振りもなく、フードも食べず、水も飲まなかった。その後も、なかなかフードを食べないので平松さんは心配したが、ゆっくり、ゆっくりと慣らしていったという。背中をなでると、少し控えめにゴロゴロといって喜ぶのも可愛かった。
ところが、家族に迎えて間もなくルナくんが脱走してしまった。
「いつでも帰ってこられるように、窓を全部開けて帰りを待ちました。ワンハート大阪にも連絡したのですが、自分で入ってくるのを待つように言われました。道にルナの臭いがついた猫砂を撒いたりして、約20時間後に帰ってきました」
ここが自分の家だとルナくんが選んだのだろう。それでもしばらくは警戒心からケージに引きこもりがちだったという。それが今では先住猫とも仲良く同じオモチャで遊ぶようになり、すっかり家族に溶け込んでいる。
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