町工場の片隅で生まれた野良犬 引き取られてオシャレさんに

 町工場の片隅で生まれ、シェルターで育てられた野良犬の子「たけちゃん」。ひょんなことから、洋服のパターンナーをしているママ、鳥井さんにもらわれ、今ではすっかりオシャレさんになっていた。

(末尾に写真特集があります)

 大阪市の下町、小さな町工場などが集まる朝潮橋にパレット工場があった。その工場の片隅で、野良犬が2匹の子犬を産んだ。その一方の子犬が「たけちゃん」だ。生後半年ほどで保護され、母犬と一緒に、大阪府能勢町にあるシェルター「ハッピーハウス」にやって来た。

笑顔がとってもチャーミング
笑顔がとってもチャーミング

老犬を引き取るつもりが…

 その後、たけちゃんの飼い主になる鳥井さんは、友人がハッピーハウスに新聞紙を寄付しに行くのに付き合って、初めて足を運んでみた。少し前に愛犬を亡くしていた。

 ハッピーハウスで立つこともできない老犬「ちゃちゃ」に出会い、その犬を引き取りたいと思ったという。だが、入居予定のマンションの竣工を待たねばならず、すぐに家に迎えることができなかった。そこで鳥井さんは毎週、はるばるハッピーハウスへボランティアに出かけるようになった。

 ハッピーハウスでは犬のシャンプーやトリミングをしているそうだ。犬はシャンプーやカットをしてもらうことで快適に暮らせるし、きれいになってシェルターを旅立つことができる。トリミングやシャンプーのボランティアは、シェルターにとって欠かせない存在なのだ。

「ところが、マンション建設中に老犬ちゃちゃが亡くなってしまったんです。気の強い老犬でしたが、怖がりなたけちゃんに優しく接していました。それで、たけちゃんを迎えることにしたんです」

 鳥井さんは、ハッピーハウスに通い始めてから1年半後、正式にたけちゃんを我が子として迎えることにした。

お似合いの服を着て
お似合いの服を着て

怖がりな子だけれど

 野良犬として産まれた犬を保護した後、何も手を加えずに飼育していると、ペットとして飼われている子が当たり前のようにできることができないまま育ってしまうという。ハッピーハウスで暮らす間、たけちゃんには訓練士がついて、リードを着ける、散歩するといった基本的な行動ができるように教育されていた。

 ハッピーハウスで他の犬と一緒に暮らしてきたので、たけちゃんは犬とのコミュニケーションはできる。だが、外に出ると警戒心が働くのか、一切物を食べず、水も飲まない。排泄も前後左右、上下の安全を確認してからでないとできなかったという。

「保護犬の中には、たけちゃんのようにとても臆病な子もいますが、あらかじめ性格が分かっているので、家族との相性を考えてから飼うことができます。はっきりした誕生日もわからないけど、そんなことは構わないんです」

 そんなたけちゃんも8歳。きれいにシャンプーとトリミングをしてもらい、お似合いの服を着て、幸せそうに鳥井さんに寄り添っていた。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この特集について
幸せになった保護犬、保護猫
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