14歳差の蜜月? 老猫と若い猫、いつまでもこのままで…
子猫の時に引き取った我が家のオス猫「はっぴー」(愛称=ふまたん)は、8月で1歳3カ月になった。先住のメス猫イヌオはもうすぐ15歳。2匹の年齢差は孫とおばあちゃんほどある。遊びたい盛りと、ゆったりしたい年齢。最初こそ2匹を見てハラハラすることもあったが、一緒に暮すうちにそれぞれわかり合えたのか、2匹が寄り添う時間も増えてきた。
小さかったはっぴーも1歳を迎え、立派な若者になった。でも、行動はまだまだ幼く、落ちつきもない。デカい図体で“指しゃぶり”もまだ続けている。
私は30代からメス、メス、メスと続けて迎えて、オスを飼うのは猫歴25年にして初めて。一緒に暮らしながら、男子の単純さや、ストレートな甘え方、元気さに驚かされることも多かった。
イヌオの方は、それより前に別の猫と10年近く過ごしていたせいか、思った以上に後輩猫をスムーズに受け入れた。もともと優しい性格も奏功したのだろう。
持病があるので検査を続けているが、はっぴーが来たことによる体調の大きな変化はなかった。それどころか、来る前よりも、目に“輝き”が出たり、久々に“速足”を披露してみせたり。
「最初は少し心配したけれど、超年下のイケメンが来て、活性化したのかも。マッチングがうまくいってよかった」と獣医さんもにっこり。
ただ、はっぴーが成長期でエネルギーがあふれる一方で、イヌオの加齢が進んでいるのも確か。体重はイヌオが5キロで、はっぴーが5.5キロと大差ないが、明らかにはっぴーの毛艶はよいし、体に弾りもある。
見渡してみると、年寄り猫と若猫を一緒に飼って人は私の周囲にもいた。
「16歳の老猫がいるところに子猫を迎えたら、じゃれてうるさがるので、もう1匹子猫を迎えたよ。そうしたら子猫同士で遊ぶようになり、老猫はのびのび」
という飼い主もいれば、
「子猫2匹を飼い始めたところに、外で保護した17~18歳の老猫が仲間入りしたけど、2匹は老猫を“腫れ物”に触るように遠巻きに見て、あまり交流がない」
という飼い主もいる。
複数対1匹なら、ひとつ屋根の下でも老猫は若猫と「別時間」に生きるのだろう。
うちは2匹の世話で手いっぱい。だから、はっぴーとイヌオは否が応でもがっちり向き合うことになる。
「おい、イヌオあそぼーぜ」
「うーん、ちょっとだけね」
「なんだよ、ノリわりいな」
そんな会話も聞こえそうだ。はっぴーは物足りなさも感じているのかなと思うが、最近では、はっぴーがイヌオに寄り添う時間も増えた。労わっているのか、優しさにほだされたのか……。
夜、あまりに静かなので、ふと廊下を見ると、はっぴーがペロペロと丁寧にイヌオの顔や耳を舐めてあげていた。イヌオもいやがるでもなく目を閉じている。しょうがないねえ、気持ちいいねえ、とでもいうように喉をグルグルと鳴らす。
温かな気持ちになった。ああこんな瞬間ができるだけ長く続けばいいのになあ……。2匹の年の差はこの先も埋まることはなく、イヌオはますますシニア化していくだろう。
よし、その分もっと私がはっぴーと遊んであげよう。足腰が痛いとか言っていられない。目が合うと、はっぴーがこちらに来て、膝に乗った。そして今度は、私の顔や耳をペーロペロ!
熟猫と熟女に見守られ、ヤングボーイのアツ~い夏はまだまだ続くのだった。
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