猫の歯が抜けたらどうなるの? 全身麻酔? それとも…

歯が抜けたモモ(左)と健康体のあんず
歯が抜けたモモ(左)と健康体のあんず

 前回の続きです。

 ある晩突如、奥歯が抜けた愛猫・モモ(6)。

 いや、飼い主からしたら突然だったけど、モモにとっては、何らかの前触れがあったかもしれません。

 いつものカリカリも食べていたし、普段と変わった様子は見られませんでした。

 モモは普段からじっとしているのが好きな大人しい猫なので、食欲がないこと以外で異変に気付きにくいところもありますが……気づいてあげられなくて、ごめんよモモ。

 病院に行くまでは心配で、ネットで“猫 歯が抜ける”などのキーワードで検索しまくっていました。

 すると、「気づいたら猫の歯が歯石だらけになっていて、全身麻酔で歯石を取った」「歯周病で歯を全て抜くことになった」など、なかなか恐ろしげな事例が見つかりました。

 全身麻酔……。確かに、猫の口をあけっぱなしにして、歯の治療なんかできないから、麻酔をかけるしかないよな。猫はえさを丸のみするから、歯がなくても食べられるとはいえ、もし歯がなくなったとして長生きできるのかな……。今は歯が1本抜けただけだけど、実は大変なことなのかもしれない……。

 見る限り普段通りに戻ったモモを横目に、最悪の事態を考えながら眠りにつきました。

 そして翌朝、夫と一緒に、近所にあるかかりつけの動物病院に歯を持参して診せに行きました。

 モモの皮膚病で通院しているとき、診てくれていた若い女性の先生は産休に入ったとのことで、モモの不妊手術をしてくれた院長先生(50代男性)が診てくれました。

普段通りに遊び始めたモモ
普段通りに遊び始めたモモ

 
院長「(カルテを見ながら)久しぶりみたいだね、どうしたの?」


私「モモの歯が…取れました。これです(歯を見せる)」

院長「あららー。それで?血が止まらない?」

私「いえ、血は止まっているみたいです」

院長「そう。これは、後臼歯っていう奥の歯だね。口の中、見てみようか」

 移動用のバッグから出され、看護師さんに取り押さえられるモモ。容赦なく、口をこじ開ける先生。

院長「ここね~。歯茎が赤くなってるけど、血は出てないね。この子はずっと口内炎なんだよね?」

夫「はい。免疫抑制剤を飲ませています」

 一旦、解放されるモモ。毎回病院に来ると、ビビりで毛が大量に抜けてしまいます。

院長「血も出ていないとなると、今やれることはないね。消毒してもいいけど、ものすごく嫌がるだろうから、このままだね」

 えっ!そんなもんなの? 歯の治療は? 全身麻酔は? 私の昨夜の多大なる心配は?

私「あ、そうなんですね。歯の根っこが残っているとかもないですか?」

 
院長「抜けた歯を見ると、根っこもしっかりついているから、その心配はないね。きれいに取れた、って感じだね。ほかの歯も見たけど、歯石も溜まっていないし、きれいだから」

私「あ、他の歯は大丈夫なんですね。良かった」

院長「口内炎がひどいと、歯を全部抜いちゃうやり方もあるけど、そこまでじゃないでしょ。いずれ、もしかしたら口内炎がひどくなって歯が全部抜けてしまう可能性もあるけど、歯を動かしてみても動かないから、今のところは大丈夫じゃないかな」

 大事に至らなくて良かった……。でも、なんでその歯だけ抜けたのかな……。

 すると、夫がある原因のひとつになりそうな出来事を思い出したようでした。

夫「もしかして、あのせいじゃ……」

 長くなりそうなので、また次回に続いてしまいます。

(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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