削ると表れる魅惑的な絵 癒やされる猫のスクラッチアート

さかな曼荼羅 (辰巳出版提供)
さかな曼荼羅 (辰巳出版提供)

 シートをペンなどで削るとパッと表れる鮮やかな色の数々や、キラキラ光るホログラム。“オトナ女子”に大流行しているスクラッチアートに、今までにない可愛い猫の図柄の『ネコと不思議な海の世界 心をととのえる大人のスクラッチアート』(辰巳出版)が登場した。テーマは猫と海。きれいなだけでなく、心を落ち着かせる効果も期待できるという。 

「ネコと不思議な海の世界」(辰巳出版提供)
「ネコと不思議な海の世界」(辰巳出版提供)

 尖ったペン先で、黒いシートのガイド線をなぞるようにして削ると、緑、赤、青などカラフルな色が表れてくる。コツコツ削ると、猫が海の中で繰り広げる、“魅惑的な世界”と巡り合える……。

 スクラッチアート『ネコと不思議な海の世界』には、イラストレーター・クラミサヨさん作画によるシートと、専用のペンがセットされている。シートは、「さかなネコ」「海の上のポットのバス亭」「ジンベエザメのバス」「海の中のティーパーティー」など7枚。猫が海に思いを馳せる連作のような内容で、裏には“頭にサンゴの冠をのっけて気分はすっかりポセイドン♪” “ジンベエザメのバスはゆっくり深く潜っていきます“などと説明が書かれ、絵本のような味わいもある。

 絵が緻密で一見難しそうだが、ガイド線に従って削ればいいので、お絵描きが苦手でも大丈夫! 自由な発想で線や絵を足すことも可能だ。

海の上のポットのバス停(面を削った例)辰巳出版提供
海の上のポットのバス停(面を削った例)辰巳出版提供

 辰巳出版の担当者は、「海外でのスクラッチアート人気」を知り、日本でオリジナルなものを、と思い立ったという。

「欧米や韓国、中国で、スクラッチアートがブームになっていました。幼い頃に、クレヨンで画用紙などに様々な色を塗った上を爪楊枝などで削って楽しんだ遊びと同じです。どんな色がでるか分からないあのワクワク感や、ひとつの作品を作り上げる達成感は、大人でも楽しいに違いないと思い、制作を決めました」

 作者のクラミサヨさんの描く創造世界と、発色の美しさがマッチして魅力が増している。絵にもこだわりがあったのだろうか。

「絵については、クラミさんの描く幻想的で不思議な線画の世界がスクラッチアートの世界感にぴったりだと思い、迷わずお願いしました。既存のスクラッチアート商品は、曼荼羅や花柄などのモチーフを中心としたものが多いのですが、この商品はファンタジーの世界を表現し、一枚一枚に物語性があるのが特徴です。発色ついてはデザイン担当者がかなり研究しました」

 このスクラッチアートは自分のセンスでオリジナティーを出すこともできるので、子どもから大人まで幅広い層が楽しめる。また、うれしい“効用”もあるようだ。

「同じ動きを繰り返す行為は、不安な心の状態を一時停止したり、心を落ち着かせたりする効果やストレス解消効果があります。さらに、脳が緩やかに活性化する=脳が無理していない状態をキープでき、集中力のアップも期待できます」

ジンベエザメのバス(線を削った例)辰巳出版提供
ジンベエザメのバス(線を削った例)辰巳出版提供

 クラミサヨさんは、2015年に同社からぬり絵「ネコと仲間たちの不思議な世界」も出版しているように“猫の作品”が多い。クラミさん本人に、猫について聞いてみた。

「小学生の時から共に暮らした愛猫がいたのですが、22歳で亡くなりました。落ち込みから立ち直れず、絵を描いて気持ちを紛らわせようと思い、身近にあったペンで猫を花の装飾模様で埋めるように描き始めました。描いている時は思い出が蘇ってボロボロ泣きましたが、完成に近づくと涙が止まりすっきりした気持ちになったんです。自分の心と向き合って整理がついたのかもしれません」

 その時の絵が賞を獲り、イラストレーターに転身したという。ペットロスから立ち直った経験が、今回のスクラッチアートの温かな作風にも表れているようだ。

海の中のティーパーティー(線を削った例)辰巳出版提供
海の中のティーパーティー(線を削った例)辰巳出版提供

「ペットロスで悩まれる方が多いので、お役に立てることができれば本望です。このスクラッチアートのイラストを製作する前にスキューバダイビングに初挑戦したのですが、魚たちと触れ合って感動しました。“魚好きな猫が海の中に行くとどうなるの?”という発想が絵の原点ですが、作品に登場する猫は、私自身なのかもしれません」 

 ピュアでキラキラした世界を、ぜひとも“削って”体感してほしい。

ネコと不思議な海の世界 心をととのえる大人のスクラッチアート 絵/クラミサヨ 価格1404円

スクラッチアートの特設ページhttps://www.tg-net.co.jp/ext/catandsea

インスタグラムhttps://www.instagram.com/nekokezuri/

藤村かおり
ペットライター。小説等の創作活動を経て90年代後半から、ペットの取材を手掛ける。2011年~2017年週刊朝日記者、2017年からsippoメインライター。丹念な取材と独自の目線から、動物と人の絆、動物と共に生きる人の心をすくい取る記事に定評がある。ペット関連の著書に『長寿猫』『明日にアクセス』など。現在は保護した黒猫、キジ猫と暮らす。
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