傷ついても、人が好きにゃん 盲目の黒猫との180日、本に

一臣さんのひざの上が「みつき」の定位置だった=咲セリさん提供
一臣さんのひざの上が「みつき」の定位置だった=咲セリさん提供

 その黒猫は、誰かに傷つけられたのか、背中はただれ、目も見えなかった。でも、物おじしない甘えん坊。人を信じ、たくさんの人に愛された猫の物語を知ってほしいと、飼い主だった女性が今月、本を出版した。

 大阪府和泉市のウェブデザイナー咲(さき)セリさん(39)が黒猫の「みつき」を兵庫県在住の友人からもらい受けたのは約3年前のこと。野良猫だったみつきは背中からしっぽまで大きくただれ、生々しい傷を負っていた。友人が献身的な看病を続けたおかげで快方に向かったが、先住の猫と相性が悪かった。咲さんは悩んだ末に手を挙げた。

 みつきは家に来た当日に咲さんの夫一臣(かずとみ)さん(44)のひざに乗り、のどを鳴らした。ひざから下ろした途端に傷口をかきむしろうとするその様子に、咲さんは「独りにしないで」とのメッセージを感じた。

 みつきは好奇心旺盛に家中を探検し、元からいた他の猫たちに臆せずおやつをねだった。そんな姿をブログで発信すると、全国から体調を気遣ったキャットフードや傷口を守る服、健康祈願のお守りが届いた。

 だが2015年6月、腎不全も抱えていたみつきの体調は悪化。一臣さんのひざによじのぼり、静かに果てた。ともに暮らしたのはわずか半年だった。

 死を悼み、ブログには約300人がコメントを寄せた。「つらいことをたくさん経験してきたでしょうに、それでも人間を好きでいてくれてありがとう」

 動物虐待のニュースが後を絶たない中、咲さんは「動物をいたわる気持ちを広げて被害を減らしたい」という。本は子どもにも読んでほしいとの思いからすべてにふりがなを振った。

「それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」は角川書店、税別1200円。

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