拾った子猫に目やにや鼻水 治療を怠ると死亡や失明のおそれ

(写真は本文と関係ありません)
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  • 生後3カ月くらいの猫を拾い、育てています。拾った当初から目やに、鼻水、くしゃみの症状が見られました。どのような病気の可能性があり、どう対処すればいいでしょうか?(東京都・女性)

    :くしゃみや鼻水は、いわゆる「猫風邪」の典型的な症状です。猫風邪であれば動物病院での検査で発熱もみられるはずです。嗅覚(きゅうかく)も鈍るので、食べ物の香りにこだわる猫は食欲をなくすことも。専門的に言えば、多くの場合は「猫伝染性呼吸器症候群」または「猫伝染性鼻気管炎」を発症している状態です。前者は猫カリシウイルスや細菌などの混合感染のケースが多く、後者は猫ヘルペスウイルス1型が原因です。

    「伝染性」とある通り、感染した猫のよだれや鼻水などの分泌物を口から取り込むことでうつります。免疫力が低下している子猫の時に感染しやすく、治療せず放置すると数日で死んでしまうこともある。猫伝染性鼻気管炎では結膜炎を起こすので、治療を怠れば失明する可能性もあります。

    基本的には抗生物質の投与が有効で、猫カリシウイルスにはインターフェロン療法も用いられます。気になる症状があったらなるべく早く動物病院に連れて行きましょう。こじらせてしまうと、治るまで1、2カ月かかることもあります。

    予防には3種または5種ワクチンの接種が有効ですが、一度かかった猫は各病原体を保菌します。猫を飼っている家庭に感染した猫を新たに迎える場合や、保菌した猫がいる家庭に新たに猫が加わる場合には注意しましょう。同居猫にワクチン接種をするのはもちろん、年齢や状態によっては隔離が必要になります。
山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。

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この特集について
診察室から
動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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