猫の「ダヤン」に触れる!? 毛や肉球を表現した初のベビー絵本

柔らかなさわり心地の肉球
柔らかなさわり心地の肉球

 大人のファンが多い猫のキャラクター「ダヤン」。そのダヤンの触れる絵本「さわってダヤン」(池田あきこ著)が学研プラスから発売された。


 ダヤンは、アニメ化もされた人気の猫キャラクター。魔法にかけられて地球(アルス)から“わちふぃーるど”という架空の国にやってきて仲間と過ごす物語なのだが、今回の絵本は0、1、2歳向きで、大人猫のダヤンが、子猫として描かれている。


 今回の絵本の最大の売り物は、ダヤンの柔らかな“毛”に触れること。表紙をはじめ全てのページに描かれたダヤンの体の一部(お腹、のど、背中、シッポ)に毛が埋め込まれ、実際になでることができる。ぷにぷにの肉球もある。

 

頭を撫でられる ダヤンの表紙
頭を撫でられる ダヤンの表紙

 絵本には、ダヤンを詳しく知るための小冊子“ベビーダヤンタイムズ”が付いており、著者の池田あきこさんの初の赤ちゃん絵本への思いが綴られている。


「わちふぃーるどの世界は複雑だから、あんまり赤ちゃん向けではないでしょう? でも絵を見る、お母さんが読んでくれる声を聞く、というだけでなくさわれるという楽しさが加わって、やっと赤ちゃんにぴったりのダヤンの本を見つけた気がしました」


 池田さん自身、猫と暮らしているが、特に子猫に関しては、特別な思いがある様子。


「こんなに小さくて無邪気ですてきな生き物がいるなんて奇跡みたい。そんな子猫の仕草のかわいらしさが絵本で出せたらいいなと思って、一生懸命絵を描きました」


 著者の思いがこもった子猫の毛ざわりは、驚くほどにリアル。絵本を企画編集した学研プラスの担当編集者が完成に至るまでの苦労を明かしてくれた。

「猫に合う毛を見つけるところからスタートしているので、仕上がるまでにかなりの年月がかりました。既存のキャラクターのため、池田先生やファンの方の持つイメージを大切にして、まだら感のある茶色の毛を探し続けたんです。肉球はウレタンを入れましたが、3ミリでは薄かったので、5ミリ、最後は7ミリと嵩増しをしていき、かなり贅沢な仕上がりになりました」


 しっぽが「特によくできている」と池田さんも驚いたという。価格は少し高いが、質感へのこだわりが、赤ちゃんを持つお母さんだけでなく、猫好きの独身女性の心もつかんだようで、ベビー絵本では異例の発売直後の増刷となった。

 

まだらの毛色が本物の猫のよう
まだらの毛色が本物の猫のよう

 担当編集者は、親子にも、猫好きの人にも楽しんでほしいという。


「“体の部位”が隠しテーマになっているので、頭はどこかな? お腹はどこかな? となでながら楽しんで覚えて頂き、猫に親しむきっかけにもなればいいですね。猫好きの大人には、毛を撫でて、ひたすら癒されてほしいです」


 もふもふの絵本は、贈り物にもぴったりだ。


(藤村かおり)

 

書名「さわってダヤン」
定価 本体1200円(税別)
発行 学研プラス 著者 池田あきこ
池田あきこ プロフィール
いけだあきこ 東京生まれ。1988年より〈わちふぃーるど〉とダヤンの物語を書き始める。著書は「猫のダヤン ふしぎ劇場~Wonderful World~」はじめ絵本、画集、絵物語、小説、エッセイ他多数。アニメシリーズの原作も手掛ける。河口湖木ノ花美術館に常設展示中。
藤村かおり
ペットライター。小説等の創作活動を経て90年代後半から、ペットの取材を手掛ける。2011年~2017年週刊朝日記者、2017年からsippoメインライター。丹念な取材と独自の目線から、動物と人の絆、動物と共に生きる人の心をすくい取る記事に定評がある。ペット関連の著書に『長寿猫』『明日にアクセス』など。現在は保護した黒猫、キジ猫と暮らす。

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