巨大ヘビや希少カメ… 警視庁の「生きもの係」が捜査体験を本に

福原秀一郎警部が書いた「警視庁 生きものがかり」
福原秀一郎警部が書いた「警視庁 生きものがかり」

 警視庁のベテラン警部が今月、自身の捜査経験などをつづった本を出版した。その名も「警視庁 生きものがかり」(講談社)。同名の小説やドラマもあるが、本物の「生き物係」によるノンフィクションだ。


 生き物係はあくまで通称。正しくは生活安全部生活環境課環境第3係という。著者の福原秀一郎警部(62)は全国でも珍しい動植物専門の捜査員で、2014年には希少動植物に関する捜査で全国唯一の「警察庁指定広域技能指導官」に認定されている。


 動物園から盗まれたレッサーパンダから、体長3メートル超のビルマニシキヘビ、密猟された天然記念物の野鳥や希少なカメまで、扱った生き物は50を超える。「人間以外の全ての動植物が対象です」。著書には事件の裏話や動植物の豆知識も盛りこんだ。

 

「警視庁 生きものがかり」を出版した福原秀一郎警部=警視庁本部
「警視庁 生きものがかり」を出版した福原秀一郎警部=警視庁本部

 鹿児島県出身で、子どものころから動物好き。刑事ドラマに憧れて1980年に入庁した。上司から「十八番をつくれ」と言われた30代のころ、行きつけの熱帯魚店で偶然、取引が規制されている希少な観賞魚を発見。密売業者らを摘発した。これが生き物事件の始まりだった。


 警察内でも時に、「デカ(刑事)の仕事じゃない」と揶揄(やゆ)されることがあった。だが、生き物の豊かな生態系と人間の生活は深く結びついているんだ――。そんな思いで、生き物を守る道を切り開いてきた。


 密輸した動植物は元の環境を壊す恐れがあるため、戻すことは原則ない。過去に救出したカメやワニに会いに、保護先の動物園を訪れることがある。自然には帰れないと思うと悲しくなり、そんな不幸な生き物を生み出さないため、いっそう目を光らせる。


 すでに定年後の再任用の身。いまは後進の育成に力を入れる。「世の中にはこんな犯罪があるんだ、警察でこんな仕事もできるんだと知ってもらえたら」


(荒ちひろ)

朝日新聞
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