「けもフレ効果」!? ネコ科のサーバル、ぴょ~んと人気
300種を超える動物を飼育する多摩動物公園(東京都日野市)で、ある動物に注目が集まっている。ライオンやチーターと同じネコ科の「サーバル」だ。アニメ番組のキャラクターになったことで人気に火が付き、解説役で登場した飼育員も話題の人に。静かだったおりの前は一変、にぎわいを見せる。
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同園で24日、「サーバルジャンプ」というイベントが開かれた。おりの天井からえさの馬肉をつるし、サーバルが、獲物をジャンプして捕る習性を再現して見せる。平日の午後、70人以上の来園者が取り囲む。
この日の主役は1歳6カ月のオスのアポロで、2・5メートルの高さにあるえさを、軽々と跳んでくわえると、「おお~っ」と声が上がった。徐々にえさの位置を高くして、最後は3メートルをクリア。初めてジャンプを見たという府中市の清水貴幸さん(34)は「助走なしで跳ぶなんてびっくりです」。
30年以上前から飼育するサーバルだが、注目のきっかけは、今年1月から深夜に放送されたテレビアニメ「けものフレンズ」(テレビ東京系)だった。架空の超巨大動物園を舞台に、擬人化された動物たちが冒険物語を繰り広げる。動物が互いに長所を褒め合う前向きな世界観と、深読みを誘う展開が、大人からも支持された。3月の放送終了後、楽しみを失ったファンには、実物に会える動物園が受け皿になった。
園の飼育員新崎慶太さん(24)は、アニメの中では「しんざきおにいさん」として音声解説で登場する。この日はイベントの進行役で、サーバルがなかなかジャンプしない場面では、「えさを見ているので、きっと跳んでくれるでしょう」。その直後、見事にジャンプ。来園者の心配そうな表情は笑顔に変わった。
新崎さんは「少しでも動物を面白いと思ってもらえたらうれしい。サーバルのついででも、いろいろな動物を見ていってほしい」と話している。
サーバルジャンプは月に2~3回の不定期開催で、予定は事前に園のホームページで告知する。
(野口みな子)
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