学校猫「たま」忘れないよ 18年愛されて、校庭に墓標
長野県伊那市立新山小学校(児童数30人)で飼われ、昨年末に死んだメス猫の「たま」をしのぶ墓標がこのほど、校庭の一角に建てられた。たまの死を聞いた元教員や保護者からの募金で建てられた墓標は、子どもたちの姿を見守っている。
たまは、18年ほど前から学校に居着くようになった。元気な頃は校舎の外に居たが、2年ほど前に甲状腺の病気になってからは、校舎内で飼われていた。
土曜、日曜日に餌やりをする「たま当番」があった。児童が交代で月に2回ほど土日に担当した。児童会長で6年生の井上桃花さん(11)は「お皿に餌を入れてあげると、たまはトッ、トッ、トッと寄ってきた。バケツやじょうろにたまった水を舌を伸ばして飲んでいた」と話す。
病気後、寒い季節は校長室のファンヒーターの前がお気に入りだった。薬が調合された餌は通常の3倍と高価だったが、学校はアルミ缶回収で得た資金を充てた。缶は児童だけでなく、地域の住民も持ってきた。
昨年末、たまは目に見えて弱り、獣医師が「人間で言えば百歳以上。もう十分頑張った」と診断。12月6日の朝、弱っていたたまのもとを、児童が代わる代わる訪れて声をかけた。授業中の午後1時過ぎ、校長室で静かに死んだ。
高見真実校長は「だんだんと食べられなくなって、歩けなくなって、という命の終わるさまを見せてくれた。たまには感謝している」と話す。
たまの死は校内だけでなく、保護者や同小に勤務した教員にも伝わった。学校に線香や花のほか香典を持ってくる人もいたため、墓標のための募金をすることになり、1月末には計5万5千円ほどが集まった。
幅約50センチ、高さ約40センチの三峰(みぶ)川産の石の墓標には6年生が考えた「たま ありがとう いつまでもわすれないよ」という言葉が刻まれた。
(関根光夫)
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
Follow Us!
編集部のイチオシ記事を、毎週金曜日に
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。
動物病院検索
全国に約9300ある動物病院の基礎データに加え、sippoの独自調査で回答があった約1400病院の診療実績、料金など詳細なデータを無料で検索・閲覧できます。