瀬戸内の「猫島」 志々島でも約80匹に不妊手術
瀬戸内海にある「猫島」の一つとして知られる志々島(香川県三豊市)で、23日から猫の一斉不妊手術をすることになった。地域の猫が健康に暮らせるよう、増え過ぎないようにすることが目的。県内では今年6、9月に男木島(高松市)でも計141匹の手術をしている。オスは去勢、メスは不妊の手術をし、耳の先を桜の花びらのようにカット。「さくらねこ」として地域に帰される。
志々島での手術は23、24日にある。17日には捕獲用のケージや手術に必要な品が船で島に運び込まれた。
島に住む人は現在17人。これに対し猫は80~100匹ほどいるという。自治会長の山地常安さん(64)は「人は少ないが、猫はどんどん増える。猫の健康を考えて島民がこれからも管理をしていくには、これ以上増えてしまうと厳しい」と話す。
猫が増えるにつれ、えさ代の負担も重くなった。畑を荒らされたり、鳴き声や汚物の被害が出たりもした。そんな中、男木島であった手術の話を聞き、高松市のNPO「BONにゃん」を通じ、担当した公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県芦屋市)に依頼した。山地さんは「島の猫との幸せな暮らしを考え、どの猫にも十分に餌が行き渡るようにしたい。島民と猫が共生するモデルケースとして観光客にも喜ばれ、移住者も増えるきっかけになってほしい」と話す。
猫を捕まえ、抗生剤やワクチンを注射し、ノミ・ダニの駆除をするほか、病気やけがが見つかればその処置もする。5人の獣医が2日間で島の約80匹を手術する予定だ。
どうぶつ基金の佐上邦久理事長は「瀬戸内海には猫島がたくさんある。志々島が『さくらねこの島』として有名になれば、猫との共生が進む一歩として思いが広がる。島のみなさんへのクリスマスプレゼントにしたい」と話している。
(田中志乃)
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