動物の命考える絵本「78円の命」完成 小学生の作文が原案

佐原光一市長(中央)に絵本「78円の命」を寄贈したプロジェクトチームのメンバーと原作者の谷山千華さん(左)=豊橋市役所
佐原光一市長(中央)に絵本「78円の命」を寄贈したプロジェクトチームのメンバーと原作者の谷山千華さん(左)=豊橋市役所

 捨てられたペットが殺処分されている現実や、命の大切さをつづった愛知県豊橋市の高校1年、谷山千華さん(15)が小学生の時に書いた作文「78円の命」を元にした絵本が完成した。インターネットの「クラウドファンディング」で出版資金を募ったメンバーらがこのほど、同市に絵本300冊を寄贈した。原作者の谷山さんは「命の尊さを考えるきっかけにしてほしい」と話した。

「78円の命」は2012年、当時小学6年生だった谷山さんが夏休みの宿題で書いた。近所でかわいがっていた捨て猫の産んだ子猫が、県動物保護管理センターに引き取られたと知ったのが発端だった。

 インターネットで調べると、全国で1年間に20万匹(当時)が殺処分され、1匹につき78円の費用がかかるとあった。

「動物の命の価値が78円でしかないように思えて胸が張りさけそうになった」。作文には、ペットが簡単に殺処分されてしまう現実への複雑な気持ちをつづった。

 同年10月、豊橋市の小中学生が参加した「話し方大会」で、谷山さんが作文を朗読。最優秀賞に選ばれた。作文は20年から、県内全域で道徳の副教材に掲載されることが決まっている。

 この作文を知った首都圏を中心に活動する若手の写真家や美術演出家ら3人が昨夏、絵本化に向けて「78円の命プロジェクト」を立ち上げた。

 インターネットで資金を集めるクラウドファンディングで協力を呼びかけたところ、3カ月間で国内外の540人から約400万円が集まった。初版分の3千冊は、プロジェクトのホームページや豊橋市内の書店で1冊78円で販売。ほぼ売り切れたため、10月中旬には3千冊を重刷し、780円で販売する予定だ。

 寄贈した絵本は、市立小中学校や特別支援学校、図書館などに配布される。メンバーの一人は「多くの支援のおかげで絵本をつくることができた。問題意識を共有し、将来、犬や猫の殺処分がなくなることを願っています」と話した。

(松永佳伸)

朝日新聞
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