子犬はかむのが仕事 留守番させる時は、犬の目線で片付けを

コングに夢中のフクちゃん
コングに夢中のフクちゃん

 飼い主が「いたずら」と呼ぶものは、ほとんどが子犬にとって正常な探索行動です。子犬がいろいろなものをかむことはごく自然な行動で、「子犬はかむのが仕事」と言っても過言ではありません。いたずらをやめさせるためには、まずエネルギーのはけ口が必要です。

 犬が、人のようにテレビを見たり、本や新聞を読んだりすることはありません。子犬が静かにしているのは眠っているときか、何かをかんでいるときかのどちらかだけです。子犬が妙に静かにしているなと思ったら、子犬を探してみてください。きっと眠っているか、何かをかんでいることでしょう。

 特に日中、子犬がひとりで留守番するような日は、しっかりといたずら対策をしておく必要があります。まず外出前に長めの散歩に行き、おもちゃでしっかり遊んで疲れさせておく必要があります。さらに留守番中にすることを与えることも大切。たとえばビジーバディ(フードを入れて転がすと少しずつ出てくるおもちゃ)やコング(食べ物を詰めることができるおもちゃ)、犬用のガムなど暇つぶしになるものを置いて出かけるようにしましょう。

 また、かまれて困るものや危険なものは届かないところに移動する必要もあります。家具など移動できないものにはビターアップル(リンゴの皮から抽出した苦み成分からできたしつけ製品)などをかけておくといいです。

 そして、部屋から出ていく前に一度座って、子犬の目線になり、部屋中を見渡してみましょう。かじったら危険なものが犬に届きそうな場所にないかを確認するのです。コード類も抜き、届かない場所に置くか家具などの後ろに隠していたずらできないようにしましょう。

 帰ってきた時に何かいたずらをしたのを発見したとしても、その時点で叱っても子犬には理解できません。留守番の時間が長すぎたこと、自分の環境整備が甘かったことを反省し、子犬には何も言わずに片づけてくさだい。そして片づける前に携帯で写真を撮っておくことをおすすめします。写真を撮っておけば、後に笑い話の種にできるからです。さいわい子犬の破壊行動は、成長とともに落ち着いてくる場合がほとんどです。

後で笑えるいたずら写真の数々
後で笑えるいたずら写真の数々
村田香織
獣医師、もみの木動物病院(神戸市)副院長。イン・クローバー代表取締役。日本動物病院協会(JAHA)の「こいぬこねこの教育アドバイザー養成講座」メイン講師でもある。「パピークラス」や「こねこ塾」などを主催、獣医学と動物行動学に基づいて人とペットが幸せに暮らすための知識を広めている。

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この連載について
ペットのこころクリニック
犬や猫の問題行動に詳しい獣医師の村田香織先生が、ペットと幸せに暮すためのしつけや飼い方のコツをていねいに解説します。
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