子犬のトイレのしつけ 成功したらご褒美、失敗はしからない
トイレのしつけの近道は、子犬を飼い始めたらすぐにスタートすることです。そのうえで、重要なポイントが三つあります。
一つ目はまず、失敗しない環境を作ること。
犬は食べる場所や寝る場所で排泄することを嫌うため、それらから離れた場所で、すぐにアプローチできるわかりやすい場所にペットシーツを敷くといいでしょう。最初はところ構わず排泄するように見えても、自然と排泄頻度の高い場所ができてきます。
よく排泄する場所としては、部屋の隅やドア、窓の近くなど屋外に通じる場所を好むところが多いです。排泄頻度の高い場所が飼い主さんが決めたトイレの場所から離れている場合は、そこにペットシーツを置いてみてください。また玄関マットやバスマットなどペットシーツと紛らわしい吸収性のあるマット類は、排泄トレーニングが完成するまでは、置きっぱなしにしないことも大切です。
二つ目は子犬をよく観察して排泄のタイミングを知ること。
寝起きや食べた後、遊んだ後などに排泄することが多いことに気付くはずです。特に寝起きは確実に排尿するし、排便は食後によく見られます。
なかなか排泄しない場合には、トイレの近くでおもちゃで遊んでやるといいと思います。夢中になって遊んでいた子犬が遊びをやめて、床のにおいを嗅ぎながら部屋の隅に行くようなら、それが排泄のサインです。もちろん個体差もあるのでそれぞれの子犬をよく観察すれば、排泄しやすい時間帯や排泄前のしぐさがわかるようになります。
そして最も大切な三つ目は、排泄しそうな時にトイレに誘導し、排泄したらその場ですぐに食べ物を与えることです。
寝起きはトイレトレーニングのビッグチャンスなので、特に失敗させないようにしたいですね。朝はもちろん、昼間や夜も、子犬がぐっすりと眠って起きた時には必ずトイレに誘導しましょう。
そして子犬が排泄し始めたらすぐに「おりこう」と言い、排泄し終わるや否や口元にご褒美を差し出す。この場合、子犬を言葉で褒めるのは排泄行為に「報酬」が出ることを伝えるためです。
排泄中に好物を出してしまうと子犬が排泄を中断してしまう可能性があるので、排泄し終わった直後に好物を差し出しましょう。このご褒美を与えるタイミングが非常に大切で、排泄し終わって部屋の中をウロウロし始めてから与えても、トイレで排泄したことに対するご褒美だと理解できません。したがって、ご褒美はあらかじめトイレのそばで子犬に届かない場所に置き、排泄直後に与えられるように準備しておくことも大切です。排泄時に言葉で褒めるだけでは効果は期待できず、好物を与えることが重要なのです。
ペットシーツに誘導してもそこから離れて排泄してしまう場合は、ペットシーツを敷き詰めたサークルを利用するといいです。
そしてトイレトレーニングで最もしてはいけないことが、子犬の排泄の失敗を叱ることです。
昔は「失敗した場所のにおいを嗅がせて叱る」などと言われていたが、これは大間違い。この方法ではほとんどの子犬が排泄そのものを叱られていると勘違いし、飼い主の目の前では排泄しなくなってしまいます。そのため、適切な場所で排泄したらただちにご褒美を与えるというトイレトレーニングの「要」とも言うべき「正の強化(望ましい行動にご褒美を与えることで適切な行動を教える)」ができなくなってしまいます。
排泄の失敗の後でトイレに連れて行き、「トイレはここでしょう?」と説教するのもよくありません。飼い主のいらだちが子犬に伝わり、トイレによくない印象を持つようになってしまうからです。子犬が悪い印象を持つ場所を避けるのは自然な危機回避行動で、そのためトイレで排泄する可能性がさらに低くなってしまいます。
もちろん排泄する直前であれば、やさしく抱いてトイレに入れてやるのは問題ありません。たとえ飼い主が抱いてトイレに連れていったとしても、トイレで排泄したら直ちに褒めてご褒美を与えましょう。
犬にとっては、トイレ以外の場所で排泄してはいけないというルールなど存在しません。決まった専用トイレで排泄する習慣をつけるためには、上記の三つのステップで根気よく教え、失敗しないように飼い主が管理することです。トイレのしつけは正しい方法で行えば、子犬に異常がない限り、必ずできるようになります。うまくいかない時には、何らかの異常がある可能性もあるので、獣医師に相談してみるといいでしょう。
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