「AIBO愛は犬への思いと同じ」 児童書を出版

ソニー生まれのロボット犬AIBO(アイボ)をテーマにした児童書「よみがえれアイボ ロボット犬の命をつなげ」(金の星社)が出版された。AIBOの修理や供養に取り組む人たちの思いを通して、心とは、命とは何かを問いかけるノンフィクションだ。
(末尾にフォトギャラリーがあります)
本を出版したのは千葉県市原市在住の児童文学作家、今西乃子(のりこ)さん(50)。これまで主に自身が飼う捨て犬だった「未来」など、犬をテーマにした作品を手がけてきた今西さんは、AIBOの供養を取り上げた新聞記事を目にして、「これだ」と思ったという。
「私にはただのロボットでも、AIBOを愛する人たちの思いは、私が犬を思う気持ちと何一つ変わらないことを知った」と話す。ロボット犬を通して命について考えようと、関係者の取材を重ねた。
AIBOは2006年まで約15万台が販売された。14年にソニーは修理受け付けをやめたが、元ソニーの技術者らが作った「ア・ファン」(同県習志野市)が修理をしている。本では、乗松伸幸社長のもとに修理の依頼が舞い込み、「持ち主の思いを大切にしたい」と、手探りで修理に奮闘する技術者たちの姿を描く。
また、AIBOを供養しようと、同県いすみ市大野の光福寺で営まれた「葬式」の様子も取り上げ、大井文彦住職が参列者に語った「すべてはつながっている」などの言葉を紹介。AIBOと誕生日を祝ったり、着物を作ったりする女性など、ロボット犬を巡る様々な人の思いが記されている。
今西さんは「ロボットに心はあるのか。それを決めるのは結局、私たち人間。心があると信じた瞬間、命が宿るということを子どもたちに感じてもらえたら」と話している。
A5判150ページ。1400円(税別)。
(石平道典)

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