野良猫へのエサやり規制条例 「譲渡に力を入れるべき」の声も
野良猫への餌やりを規制する動物愛護管理条例の改正案について、和歌山県議会・福祉環境委員会は14日、賛成多数で可決した。17日の本会議で可決された。
条例改正案では、野良猫への継続的な餌やりには、不妊去勢手術をすることや汚物を処理すること、周辺住民に説明することなどのルールが定められる。ルールに違反し、勧告や命令で改善しない場合、5万円以下の過料が科される。
昨年8月の当初案では、飼い猫以外への餌やりを原則禁止する案を発表した。しかし、県内外から反対のパブリックコメントが多数寄せられたことを受け、内容を見直して2月議会に提案していた。
委員会では、条例の改正案に対し、浦口高典県議(改新クラブ)が「鳥獣害のように被害がでるものとは違う。条例で縛る必要があるのか」と質問。県食品・生活衛生課の石井和人課長は「生活環境への被害があり、地域のマナーやモラルだけでは最終的な解決にいたらない。ルールを守ってもらうことに転換して、解決を図っていく」と説明した。尾崎太郎県議(自民)からは「殺処分数の減少でしか、我々には(条例の効果は)わからない。数字にこだわってやってもらいたい」と意見が出た。
採決では、委員長を除く6人のうち、浦口県議以外の5人が賛成した。また、条例改正に反対する請願については、賛成少数で否決した。
請願を出した「和歌山猫の会」の北野久美子代表は「餌やりにルールを作る条例案は場当たり的で、猫の譲渡にもっと力を入れるべきだ」と批判。「フンや鳴き声は、生きているんだから当然。苦情や殺処分の原因は、野良猫や猫に餌をあげる人ではなく、動物愛護の心がないことだ」と話した。
(滝沢文那)
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