子猫に見つめられドギマギ これ、何かに似てる?

2匹寄り添って寝る
2匹寄り添って寝る

 連載10回目の前回、ようやく家に猫がやって来ました。

 

 猫は場所に居着く生き物だと言いますが、わが家という新しい場に来た生後4カ月の猫たちは、落ち着かない様子でした。


 サバトラ柄のよもぎちゃんはテレビの裏に隠れて出てこないし、サビ柄の蘭ちゃんは急に走り出したり、隠れたり、安心する居場所が見つからない様子。


 夜になり、猫たちはテレビの裏のすき間で、縦列駐車状態で寝てしまったので、私も電気を消して、寝室で横になったものの…眠れない。

 

 寝室に猫は入れないのに、引き戸を挟んだ部屋に猫がいると思うと落ち着かないのです。


 まさか猫だけでなく、ずっと住んでいる私までこんな気持ちになるとは……。


 子どもの頃、実家に犬がいたときは外の犬小屋で飼っていたし、金魚やザリガニ、てんとう虫なんかは水槽のなかにいた。


 人間以外の「そこそこ知能がある哺乳類」と、ひとつ屋根の下で暮らすことが初めてでした。


 その後も、猫たちは新しい猫ベッドではなく、毎日テレビの裏側の10センチほどのすき間で寝ていたし、私も眠れない日が続きました。

 

 お互いの信頼関係が確立していない状態って、疲れるわ……。


 疲れの一番の原因は猫の「視線」でした。


 猫たちは、一定の距離を保ちつつ、ヒトの一挙手一投足をじーーーっと見つめているのです。


 ヒトがTVを観ていても、じー。


 食事をしていても、じーー。


 まゆ毛を抜いていても、じーーー。


 この世に生まれてたった4ヶ月の澄みきった瞳で、まっすぐにじーっと見つめてくるのです。


 生まれて40年近く経過した、くたびれた私の全行動を。


 その「じーー」が苦手で、自宅で全くくつろげない日々が1カ月近く続きました。


 注目を浴びることが普段ないせいなのか……というより「コイツは自分に危害を与えるヤツじゃないか」という不信の目で見られているようでガマンならないのかもしれません。


 人間関係に置き換えるならば、仕事が忙しくて休みが取れないだけなのに、彼女に「浮気してるでしょ!」って、問い詰められるようなものだと思うのです(……例えとして、どうなのか分かりませんが)。


 ああ、もうちょっとあたしを信用してよー。一緒に暮らしたくなかったら連れてこないよー(泣)そこそこ優しいよー。


 なんて、猫に対して思っていたのですが、知らない人の家にいきなり連れてこられたら不安だろうな……。

 
 しかも、元々は捨て猫だったのだから、人を信用できない気持ちもよくわかる。


 わたしは自分の家で眠れないだけだけど、この子たちは不安なんだろうな。


 ペットと暮らす環境は万全か、ちゃんと世話できるのか、何年も悩んで決めたことなのだから、「そのうち馴れるさ」とドーンと構えているしかないのかな。

 

 ……なんて、最初は悩みましたが、まっ、そうこうしているうちに、お互い慣れました。

 

 猫との信頼関係は、慣れで解決!

 

(ヤスダユキ)

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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