愛犬が迷子!不休の17時間 探偵雇い、チラシまき…試行錯誤

帰って来たエルマー。けがもなくきょとんとしていた

 5月の連休中、わが家の1歳半の愛犬が深夜の散歩中に迷子になった。17時間後に連れ戻すまで、私と家族と友人たちは探し歩き、叫び、探偵を雇い、チラシをまき……。試行錯誤の捜索記から、迷い犬の捜し方を考えたい。

 5月3日午後11時ごろ、オスのビーグル犬「エルマー」は姿を消した。ふとしたはずみに夫の手から引き綱が離れ、驚いたのか綱を引きずりながら走り去った。場所は毎日散歩する自宅近くの横浜・根岸森林公園。甲子園球場5個分、19ヘクタールもある。

 わが家は夫(40)と私(41)の2人家族。一昨年に飼い始めたエルマーは子ども同然だ。名前を呼びながら公園と周辺を歩いた。午前3時半、交番に遺失物届を出した。一睡もせず捜した。家に戻って私は犬の特徴と名前、電話番号を手書きしたチラシを作り、コンビニで400枚コピーした。夫は写真入りカラーのチラシを100枚ほど刷った。

 午前8時過ぎ、ペット専門の探偵に頼むことを思いつき、近くの業者に電話した。同じ横浜に住む私の両親にも来てもらった。事情をメールで伝えた犬友だち数人も、捜してくれたようだ。

 午後1時、男性の探偵が家に来た。「引き綱がついているなら保護されている可能性が高い」。探偵によると、迷い犬の行動パターンは性格や状況で異なる。パニックになると1日数キロ移動することもある。「発見率は75%」。まずチラシを張って、その後聞き込みするのが効果的だという。

 チラシ制作費を含め1日5時間×3日間で10万円、チラシをカラーにすると12万円。迷った末にカラーにした。動物病院やスーパーにチラシを張らせてもらうため、夫が車で回った。私は歩いてチラシを配り続けた。

 午後4時過ぎ、昼間にチラシを渡した犬友だちから「近所の家の前にエルマーがつながれている」と電話があった。夫が急行し、確保した。

発見につながったチラシ(左)と写真付きのチラシ(画像の一部を加工しています)
発見につながったチラシ(左)と写真付きのチラシ(画像の一部を加工しています)

名札に連絡先、チップも有効

 エルマーが見つかった場所は自宅から直線距離にして400メートル。見つけたのは外国人の少年(7)だった。午後3時ごろ、駐車場の隅に犬がいると母親に知らせ、近所の人の門扉につないで飼い主側の発見を待つことにした。10分もたたず私のチラシを持った知人が通りかかった。

 一件落着したあと、つらつらと反省した。引き綱は、取っ手タイプより、ひもを手に巻き付けるタイプが安心だと実感した。捜し方も、犬が自宅に立ち寄った可能性を考えれば、2人のうち一方は家の前にいた方がよかった。犬仲間には助けられた。散歩で顔見知りになった人とは、連絡先を交換しておきたい。

 年200匹以上の犬を保護するNPO「アニマルレフュージ関西」によると、飼い主の連絡先を記した名札を24時間つけておくのが大切という。皮膚の下に埋め込むマイクロチップも有効だ。エルマーはいずれもつけていなかった。

 捜す場合は写真付きのチラシを早く作って周知し、情報を集める。怖がりの犬ほどパニックになり遠くに逃げるので、初動が肝心だ。「そのうち帰る」という様子見は禁物だ。警察や保健所に届けるのは、近所を捜してからでも間に合う。保健所に来た犬は、2日間は処分せず保管すると、狂犬病予防法で定めている。

 環境省によると、2012年度に全国の保健所が引き取った犬は約7万2千匹。そのうち迷い犬を含む「所有者不明」は約5万5千匹いた。

 冷や汗をかいた飼い主のお願いとしては、明らかに逃げ出したとわかる犬を見たら、警察に連絡してほしい。その上で可能なら安全な場所につないでもらいたい。見つけたことを張り紙で示してもらうのも、とても助かると思った。
(安部美香子)

(朝日新聞2014年6月14日掲載)

朝日新聞
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