学校犬として大活躍! 学生たちと共に成長
保護された犬の数だけ物語がある──。「保護犬シンデレラ・ストーリーズ」では、そうした保護犬たちを取り上げ、ご紹介する。今回は、動物の専門学校に引き取られた学校犬の芽生(メイ)。飼育をしている学生たちに話を伺った。
山にいたところを保護生後3カ月で学校犬へ


メイは東京コミュニケーションアート専門学校で飼われている“学校犬”だ。ドッグスペシャリスト専攻の学生がメイの飼育を担当している。
メイが学校にやってきたのは昨年6月のこと。“ドッグランフェスタ(ワンワンパーティクラブ主催)”というイベントがあり、その保護犬の里親を探すコーナーにメイはいた。
「震災で野良化した子が山で産んだ子だったそうです。僕たちのところにきたときはまだ3カ月くらいだったと思います」
「来てすぐは、ぼ~っとした顔してたよね!」
「初めての環境だから怖かったんだと思う」
「片手で軽々と抱けた」
「めちゃくちゃ可愛いかった~」
集まってくれた学生たちが口々に当時のメイの様子を話す。
当番制で行っているメイの飼育はどのようなものだろう。
「当番になると朝の7時半に登校して、最初に健康チェック。体温や心拍、体重などを測定して記録、それからお散歩。散歩は朝昼夕の3回しています。貧血のチェックや歯磨きもご飯の後に行います」
「毎月、ノミ・マダニの駆除も動物病院で処方されるお薬でしていますよ」
保護犬だって何も変わらない

メイのしつけは、ドッグトレーナーの指導の下に学生が行っている。
「基本は絶対に叱らずに褒(ほ)めて褒めて伸ばすことという指導でした。今はもう、おすわり、待て、伏せ、ハウスは完璧です!」
「トレーニングやトリミングを実践して学ぶことができました。伝えたことができるようになると自分もうれしいですね」
学校犬は全部で15頭いるが、保護犬はメイが初めてだった。
「保護犬だろうとなにも変わらないなと思いました。将来自分の力で養えるようになったら、メイみたいな保護犬を引き取りたいな」
「僕は、自分で保護センターを作りたいと考えるようになりました」
ノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」のセーブペットプロジェクトについて伝えると――。
「知らなかった。トリミングの授業でノミがついている犬がいて、やっぱりお薬って大事なんだなと思っていました。同じ薬ならそういう活動をしているものを選びたくなる。良いと思う」
と感想を語ってくれた。
メイの成長とともに学生もステップアップ

犬舎のメイを訪ねた。しっぽをブンブン振って大喜びのメイ。
「メイは僕らのことを仲間だと思ってるんじゃないかなぁ」
「兄弟じゃない? 兄弟の一番下がメイだと思う」
「いつも笑わせてくれる」
「僕らにとって子犬から接したのはメイが初めてで、やっぱり思い入れは強いですね」
メイの愛らしさ、人を信じきったまなざしというのは、かわいがられてきた犬特有のものといえるだろう。メイの健やかな成長は、学生たちの愛情と努力の賜物(たまもの)。ドッグトレーナーや動物看護師、トリマーなどそれぞれに夢を持つ彼らを小さなメイは支えている。
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NPO法人ワンワンパーティクラブ
電話:080-7051-8243(10時~18時)
メール:sippotkow@wanwan.org (朝日新聞『sippo』を見たとお伝えください。)
HP:NPO法人ワンワンパーティクラブ(別窓で開きます)
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1年で約16万頭。飼い主に捨てられ、殺処分されるイヌやネコの数です。「セーブペットプロジェクト」は、動物病院で処方されるノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」の売り上げの一部を、飼い主のいない動物たちを救うために役立てる動物愛護プロジェクトです。あなたのペットへの愛情が、行き場をなくした動物たちの幸せへとつながります。
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