柴犬など日本犬のしつけ 禁止より一緒に楽しむ工夫を

◇自発的な行動を共同作業に変える

 

日本犬との暮らしを豊かにするために習慣にしよう

 

飼い主を困らせる犬の行動の全ては自発行動といえる。
自由な意思があるからこその行動を長所と考えて活かそう。

 

禁止するより一緒に楽しめる工夫が大切
犬の号令に合わせて号令をつけよう

 日本犬は常に飼い主に注目して指示を待つタイプではない。自立心が高い分、自発的な行動も多い。例えば、興味のあるものに近寄る、あちこちのにおいを嗅ぐ、地面に穴を掘る、落ちているものをくわえる、など。飼い主が「◯◯◯をして困る」と訴えることの全てが、自発的な行動といえる。好ましく思えない自発行動も多いが、命令に従うだけではロボットと同じ。犬の自発行動を禁じることは、人に例えれば、外出する時は脇目を振らず運動会の入場行進のように歩き、買い物の時は目的の店の目的のもの以外に目を向けない、ということになる。このような生活は息苦しくつまらない。自発行動を勝手な行動と思わず、号令をつけて「飼い主との共同作業」に変えてコミュニケーションに役立てよう。「自由意志があり自発行動があるからこそ、一緒に暮らしていて楽しい」と思えるようになりたい。

<1>休む時

 犬が休む時も号令をつけるチャンス。落ち着かせるために号令を使いたい場合は、犬がどこで休む時も「おやすみ」などの1つの号令でOK。ベッドやハウスなどの特定の場所で休ませるために号令を使いたい場合は、ベッドなら「ベッド」、ハウスなら「ハウス」と号令を使い分けよう。

休む時の号令は2種類ある
休む時の号令は2種類ある
犬を落ち着かせるための号令と、特定の場所(ベッドやハウスなど)で休ませる号令に分けてもOK。

 

 

<2>ジャンプする時

 跳び乗ったり跳び降りたりするジャンプは、食べ物で誘導して教えることが多い号令かもしれない。しかし、生活の中でチャンスをとらえていれば自然に教えることができるので、犬が自発的に跳ぶ瞬間を逃さずに「ジャンプ」などの号令をつけよう。散歩の時でも室内にいる時でも、跳ぶタイミングを逃さずに号令を言い続けることが大切だ。

<3>くぐる時

 柵や椅子などの下をくぐる時に合わせて、「くぐって」などの号令をつけよう。食べ物で誘導しなくても、タイミングを逃さなければ教えられる。加えて「ジャンプ」の号令も覚えれば、障害物競争のような遊びも一緒に楽しめるようになる。

身近にあるものを利用する
身近にあるものを利用する

公園のシーソーや自宅のソファなどをくぐる時に号令を言うだけ。いろいろなものを活用しよう。

 

 

 

 

 

<4>道が分かれた時

 左右に道が分かれた時、犬が右に行きそうな場合は、一旦止まってから「右」と指示(号令)を出す。どちらに行くかわからない場合は、一旦止まって「どっちに行く?」と声をかけ、「右?」「左?」と聞きながらその方向を指差したり、一歩踏み出したりして犬にわかりやすく選択肢を示す。犬の反応から行きたがっている方向を読み取って、「こっちに行こう」と声をかけて歩き出そう。ただし、飼い主が行く方向を決めている時には相談しないこと。

 

一旦止まって犬と相談する
一旦止まって犬と相談する
別れ道で一旦止まって相談する。犬の様子から行きたい方向がわからなければ、飼い主が選択肢をわかりやすく示して反応を見て判断しよう。

 

 

 

 

 

 

まとめ

山下國廣先生からアドバイス

 あらゆる自発行動に号令をつけて活用する習慣は、最高のしつけのテクニックです。タイミングよく教えれば数回で理解するはずです(頻度が少ない行動は時間がかかります)。ただし、今まで放任してやらせていた行動に号令をつける、ということを飼い主さんが習慣にするまでには時間がかかるかもしれません。犬がその号令を覚えたかどうか確認する方法は、◯◯◯(号令をつけたい行動)をしそうだがまだ始めていない、という時に号令を言います。犬が従えば覚えている、従わなければ覚えていないことになります。

監修:山下國廣先生/軽井沢ドッグビヘイビア

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