柴犬など日本犬の自立心を活かして、相棒のような関係に

◇適切な接し方で暮らしを改善しよう

 

ご家庭や犬の年齢に合わせて習慣を考える

 


 自立心を活かした関係を築くためには、適切な接し方を心がけることも大切だ。山下先生に、理想の関係と注意するべきことをうかがおう。
 
「日本犬の魅力は、互いに別のことをしながらも意識し合える、相棒のようになれることでしょう。自立している者同士だからこそ築ける、このような関係が理想だと思っています。ですから、服従性ばかりを強調して、自立性や警戒心を『なくすべき悪い性質』と考えるようなしつけ方は、日本犬に向きません。常にハンドラー(リードを持つ人)に意識を向け、いつでも号令に反射的に従う、という犬に育てたい場合、自立性はデメリットになります。服従動作を重視するしつけ方の場合、日本犬が高い評価を受けることは少ないでしょう。しかし、家庭犬としては密なコミュニケーションを図れることが最も重要だと思います」

 

  成長に伴って性質は大きく変化する。本コーナーをもとに暮らしを改善したい場合、何歳でも可能だろうか。

 

「中年期(約7~8歳以上)以降も活動的なタイプなら、楽しい習慣や遊びを教えられます。中年期を過ぎて落ち着いている犬なら、無理はさせなくてもよいでしょう。ただし、新しいことを受け入れられるタイプであれば、高齢でも習慣を変えることはできます」

 

 下記の「成長による変化と接し方の注意」も参考に習慣を考えよう。

 

最初は依存的でも徐々に自我が強く
成長による変化と接し方の注意

自立心が強くても、子犬の頃は飼い主に依存するが、すぐに“親離れ”し始め、やがて自立していく。成長の変化に合わせた接し方を心がけよう。


子犬
飼い主に依存する短い時期を逃さず適切なトレーニングを

日本犬でも依存性が高い頃。その状態がずっと続くわけではないので、ふいに名前を呼んでごぼうびを与えたり、遊びをゲームのように発展させたり、短い期間を有効に過ごそう。社会化期にやっておくべき「体を触る練習」なども必須。
若犬
自我が芽生えて指示に従わないことがあっても原則どおりに

急に自立的になっていく頃。素直に従わず、教えたことを忘れてしまったかのように見えることも。変化に驚かず強く叱ったりせず、原則どおりにトレーニングを。有り余るエネルギーは楽しいゲームのような遊びで上手に発散させよう。
壮犬
犬が考えて実行するまで待つことで関係がより強化

おとなとして風格が出てくる頃。指示に即従うことではなく、「考える間」も十分にとってあげること。犬が納得して実行してくれた方が、より深いところで飼い主との一体感が持てる。手がかからなくなり、交流が減りがちなので注意。
老犬
気難しさや不安感が出るので犬に合わせた対応をする

加齢による変化が見られる頃。年とともに気難しくなって距離を置きたがる場合と、不安感が強くなって密な交流を求めてくる場合が。いずれの場合も飼い主の都合のみを無理強いするのは禁物。犬に合わせて接してあげることが大切だ。

監修:山下國廣先生/軽井沢ドッグビヘイビア

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