猫の島に、木造校舎を使ったホステル 猫も人もの~んびり
瀬戸内海に浮かぶ離島「佐柳島(さなぎしま)」。人口わずか70人ほどの小さな島は、たくさんの猫が住む「猫の島」として知られている。そんなのどかな島に2017年8月「ネコノシマホステル」がオープンした。もともと小学校だった木造校舎を利用して作られたというこのゲストハウスはノスタルジックな雰囲気とのどかに暮らす猫が調和した、新しい形の宿泊施設として注目されている。
オーナーの村上さんは、奥様と佐柳島に遊びに来た際「この島にカフェや宿泊施設があるといいな」と考えたという。そこで目に飛び込んできたのが、この校舎。ひと目見て「これだ!」と思っ たという。それからは早かった。仕事を辞め、佐柳島へ移り住み、あれよあれよという間にこのゲストハウスをオープンしてしまったのだ。
もともと猫が大好きだったという村上さんご夫婦。ここで出会った猫たちにもインスピレーションを強く受けたという。「この島の猫たちは〝猫がもつ本来の姿〟だと感じました。猫と人が共存し ながら生きている。そんなのびのびとした猫たちにも魅了されました」
たしかに、この島の猫たちは、都会の猫とは「まるで違う」と言っても言い過ぎではない。島全体が我が家のように、そして、みんながひとつの家族のように生活をしているのだ。
波打ち際でカニと遊ぶ猫、防波堤で夕日を眺める猫―都会ではなかなか見ることができない景色がこの島にはある。そんな猫たちに後押しされるかのように、村上さんご夫婦はここに住む決意をしたという。
施設内では4匹の猫がメインで暮らしている。どの子も人見知りをせず、誰かれかまわず膝の上に乗り、愛嬌を振りまいている。そんな猫たちと戯れるお客様を見ることが最大の喜びであるという村上さんは、今後の夢についてこう話してくれた。
「このゲストハウスには、都会では味わえない素敵な風景と、猫たちが与えてくれる癒しの空間があります。今まで忘れていた大切な何かを思い出すきっかけになると思います。この島が平和での んびりした理想の猫島のまま、この先もずっとあり続けたらいいですね。そのために、ネコノシマホステルがお役に立てればこんなに嬉しいことはありません」
心優しいオーナーとそこに住む猫たち。そして、自然が溢れたこのホテルは、私たち人間と猫が共存する未来にとって、良い指針を与えてくれるにちがいない。
文・加藤道子 写真・沖 昌之
ネコノシマホステル+喫茶ネコノシマ
香川県仲多度郡多度津町佐柳1353
香川県多度津港から三洋汽船(フェリー)で約1時間
TEL 0877-35-3505
Instagram:neconoshima_hostel
【宿泊】チェックイン17:00/チェックアウト10:00
【喫茶】9:00~17:00(ランチ11:30~)/定休日・火曜
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。