対照的な高齢猫2匹の通院 1匹は通院バッグを見て逃亡し、1匹はバッグがお気に入り
2015年から始まった当連載「猫アレルギーですけど」も9年目に突入しました。我が家のサビ猫「あんず」、キジトラ猫「モモ」は、年末年始も普段と変わらずのんびり過ごしておりました。
モモの口内炎について獣医師さんの意見は…
前回お伝えしたモモの口内炎ですが、2か月経っても相変わらず良くなったり悪くなったりと一進一退の状態が続いております。
薬を投与して良くなったかと思えば、しばらくすると口を気にし出して、悪くなってまた薬……となるなど。年始にも近所のおじいちゃん先生がいる動物病院に連れて行きましたが、「完治することはないので、様子を見ながら薬を続けるしかない」とのこと。
更に先生はこう断言しました。
「インターフェロンもあるけど、あまり変わらないから。ほかの病院に行ったら勧められると思うけどね」
おじいちゃん先生を信じて
インターフェロン製剤とは、抗炎症作用と抗菌作用、免疫の増強作用によって、感染症や今回のような歯肉の炎症を軽減させる効果が期待できるお薬のこと。
もちろん、有効な薬ということが証明されているからこそ、多くの動物病院で勧められることが多いのでしょう。一方で薬にはつきものである副作用も報告されているため、使用には信頼できる獣医師の指示のもと、慎重に使用することが推奨されているようです。
現在、我が家が最も信頼しているのは、「(今回の症状には)インターフェロンは勧めない」と断言するおじいちゃん先生。なので、その判断を信頼したいと思いました。
今年でモモもあんずも13歳になります。モモは若い頃から口内炎や皮膚病に悩まされ続けた猫なので、何か良い治療はないかと、今まで3件の動物病院に診ていただきました。
最初の頃は、モモに合った、何か劇的に良くなる治療法を知っている獣医さんがいるのではないか、と考えたこともありました。
でも、獣医師さんのおっしゃる治療法に大きな違いはなく、先生の説明を信頼し、分からないことがあれば聞いて、その上で飼い主がどう判断するか、ということなのだという思いに至りました。
元気なあんずも病院へ
一方、いつも元気なあんずですが、微妙に口臭が気になり始め、モモの受診のタイミングで一緒に連れていくことにしました。
モモの場合は、猫用のキャリーバッグを用意すると、テレビの裏に隠れるなど、とにかく逃げようとします。病院慣れしたモモらしい反応と言えます。
夫か私がバッグを出す前に、もう一人がモモを捕まえておく必要があるのです。(夫ひとりでバッグに入れて連れて行く場合もありますが、どういうわけか1人でどうにかしているようです)
しかし、あんずはあまり病院とは縁がない猫。今回、久々の猫用キャリーとなります。
あんずは自己主張がとても強く、賢い猫でもあるので、猛烈に嫌がるかもしれない……。と、モモのように、あんずを私が捕まえておいて、夫にバッグを用意してもらいました。
「早く早く!」
とか言いながら、バッグにあんずを詰め、急いでチャックを閉めようとしたところ……。モモの場合はバッグから出ようとしてもがくので、押さえた手に抵抗があるのですが、あんずは逃げるそぶりもなく、おとなしくバッグに入ったまま。すんなりチャックが閉められました。チャックを閉めたあと、網目からあんずの様子をうかがうと、特におびえた様子もなく、いつもと同じ。
家から出て、外を歩いていると、動物病院までの短い道のりで、モモはいつも「ビャービャー!」など鳴く一方、あんずはとても静かでした。
動物病院でも、暴れもおびえもせず、落ち着いて先生の診療を受けていたのは驚きでした。
口臭の原因は、歯茎の一部が腫れている、とのこと。老猫の場合はやむを得ないといいます。自宅で抗生剤を2~4日投与し、良くなったら止めて良いとのことでした。
自宅に帰り、すぐにバッグから猫らを出してやると、モモはダッと駆け出し、遠くで毛づくろいを始めましたが、あんずはのっそりとバッグから出て、バッグのにおいをクンクン。しばらくバッグのそばから離れず、周りをクルクル周るなどして自らインしそうな雰囲気すらありました。
「もう入らなくて良いの?居心地よかったのに」
とでも言いたげなあんず。病院に恐怖心を抱くこともなかったのでしょうね。口の中を見られたというのに……。
病院の反応だけでもこんなにも違う2匹の猫。これからもお世話になるので、あんずだけでもこのまま通院にストレスを感じないでいて欲しいものです。
(次回は2月16日公開予定です)
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