立て続けに起きた愛猫と愛犬の別れ 後悔が残り、これから何ができるのか考えた
いつか来るペットとのお別れの日――。経験された飼い主さんたちはどのような心境だったのでしょうか。
2022年11月に雑種猫の天くん(推定享年13歳)、その2カ月後の2023年1月に雑種犬の空くん(享年13歳)を見送ったちさとさん。空くんのみとりに悔いはないそうですが、天くんのことは今でも後悔が残っているそうです。2匹について、またみとりや現在の気持ちについて伺いました。
2カ月の間に愛猫と愛犬をみとった
――ちさとさんは、2022年11月に愛猫の天くん、2023年1月に愛犬の空くんを、立て続けにみとられたとお聞きしました。
そうですね、2匹ともがんで亡くなりました。天はのどにしこりが見つかって、病理検査で悪性腫瘍(しゅよう)だとわかった3カ月後に突然逝ってしまいました。空は扁平(へんぺい)上皮がんで脚の小指を切る手術をしたのですが、病気がわかってから1年で旅立ちました。
――天くんはどんな治療をしていたのですか?
悪性腫瘍がのどでどんどん肥大していて、窒息の可能性があるとのことで、窒息死などの苦しい思いはさせたくないと思い、抗がん剤治療を選択しました。でも功を奏せずに亡くなってしまいました。天のことは今でもいろいろと後悔が残っています。
――空くんは手術をして頑張りましたね。
手術後は順調だったのですが、半年くらい経って起立困難になり、亡くなる1カ月前に自力で立てなくなって、最期の2週間は寝たきりになりました。でも亡くなるまで食欲はあり、最期まで頑張ってくれました。天が亡くなったあとだったので、空の介護は集中して全身全霊でみとりができたと思います。
今も愛猫のみとりに後悔が残る
――天くんには抗がん剤治療をするなど、飼い主として十分に役割を果たせたと思いますが、なぜ後悔があるのでしょう?
私の知識不足が原因で、天を逝かせてしまったのかなという後悔があるんです。
天は亡くなる前、土間で寝ていたんです。一度は引っ張りあげたのですが、また自分で戻るんです。真冬はマイナス10℃になるような山間地なので、11月の土間は寒かったのですが、天がいいならそこがいいのだろうと思い、私は50センチほど離れた板間で横になっていました。
そして私がうとうとすると、耳元の真横で天が叫ぶ声が聞こえるんですよね。でも土間を見ると天の寝息しか聞こえない。そんなことを3回くらい繰り返し、最終的に土間から引き上げたのですが、天はそのあと4時間くらいで亡くなりました。この亡くなった経緯を獣医師に説明をしたら、一時、土間のような寒いところにいたので、血栓ができて心不全を起こしたのかなと先生がおっしゃって……。
亡くなったあとに自分でも調べたところ、私が土間にいさせてしまったのが原因だったのかなと思うところがありまして。天が亡くなる2日前に獣医師から「まだ覚悟をするような数値ではない」と聞いていたので、まさか亡くなると思っておらず……。覚悟ができないまま逝かせてしまい、本当にしばらく立ち直れなかったですし、今でも後悔が残っています。
悔いのないように、できることをする
――天くんの死の後悔からどんなことを学びましたか?
天への後悔があったので、空は介護もみとりもしっかりできました。うちには今、7匹の保護猫と1匹の柴犬がいるので、天と空のみとりの経験を生かして、ほかの子たちのみとりの時にも、全身全霊で向き合いたいと考えています。
――ちさとさんにとって「ペットの死に向き合う」とはどういうことだと思いますか?
死に向き合うというより、生きている間に、悔いが残らぬように何ができるか、ということでしょうか。おいしいもの食べてもらったり、一緒に遊んであげたりして、それぞれの子たちにどう幸せに生きてもらうか、ということかなと。
実は天が亡くなったときに、「ほかの子たちも毎月、動物病院に連れて行き健康診断をさせよう」と意気込んだのですが、猫って簡単に病院に連れていけるものではないんですよね……。連れて行こうとしたら道中鳴き続けて、けいれんまでおこしてしまった子もいて。そこからは、この子たちにはストレスがかからないように無理はさせず、最後まで幸せに過ごさせてあげたいなと思うようになりました。
<取材を終えて>
保護団体のボランティアや地域猫活動を、長い間続けているちさとさん。猫の殺処分ゼロを目指すTNR活動を通し、これからも1匹でも多くの動物たちに幸せになってもらえるよう尽力したいと話してくださいました。
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