病院に行ってきた「モモ」(右)
病院に行ってきた「モモ」(右)

どうも愛猫に元気がない… 初めて行った動物病院で“名医”に出会えた!

 今回は、我が家の12歳になるキジトラ猫の「モモ」が、なんとなく元気がなく、心配になったので病院に行ってきたときのお話です。ペットが年をとると、心配なことが増えてきます……。

何となく、愛猫の元気がない……?

 モモは幼猫の頃から「元気」かどうか伝わりにくい猫。体調は悪くないけど、動きは少ない“低空飛行”のような状態がモモの“普通”です。(ちなみに、飼い主も元気はないけど病気もない40代です)

 ここ数日、何となく食事の量が減っている気がする……。動かないのはいつものことだけれど、食べる量が少ないのは心配になります。

 体調に変化はないかと、寝床で休んでいるモモの体をなでまわしたり、おなかを少し押してみたりしたけれど、目立った反応はありません。

 トイレもさほど変わった様子はないけれど、一度気になると、いても立ってもいられなくなるもの。すぐさまかかりつけの病院に電話してみました。

体調が良いときも、あまり動かないモモ

 すると、その日は予約でいっぱいで、翌日は休診日。最短でも2日後の診察になってしまうとのこと。急ぎで診てもらいたい場合の提携先の動物病院を教えてもらったけれど、少し遠い。それならば!と、ずっと気になっていた、近所にある別の動物病院に連絡してみることにしました。

モモをバッグに入れると、相棒猫が…

 その病院は近所のビルの片隅にあり、よっぽど人気なのか待合室が狭いのか、外で待つワンコと飼い主さんをよく見かけていました。ネットの口コミの評判は抜群で、かなり気になる存在だったんです。

 こちらも予約でいっぱいの可能性があると思い電話をしてみると、獣医師さんらしき年配の男性が「すぐ連れてきて大丈夫」と答えてくれました。

 では、いざ病院へ! そのためには、モモはバッグに入ってもらわないと!

 猫ベッドでくつろぐモモを夫が捕まえてバッグに入れ、私がファスナーを締めて、とても簡単にモモの準備ができました。

 バッグに入ったモモに、心配そうに寄り添う相棒猫の「あんず」。優しいね……。

 とはいえ、モモが「病院のニオイ」をつけて帰ってきた場合、とっても冷たい対応に変わるんですけどね。以前、病院帰りのモモが、あんずに「一緒に寝よう」と近づく度に、「カー!(来ないで!)」と2~3日怒っていたこと、私は忘れないよ……。

いつも元気な「あんず」

初めての動物病院は……?

 不安げに「ビャァ〜」などと鳴くモモを連れて、評判の良い病院に徒歩で到着しました。

 扉を開けると、新しいビルの一角にあるのでキレイなものの、動物病院にしては狭く、待合室のようなものはないように見えました。

 迎えてくれたのは「おじいちゃん先生」という呼び方が似合う獣医師さん。経験豊富な名医の雰囲気が漂いまくっています。診察の補助をしてくださるのは、先生の奥様と思しきやはり経験豊富そうなご婦人です。 ほかの患畜はなく、すぐに診てもらえました。

「なんだか最近、食欲がないみたいなんです」

 そうモモの様子を伝えると、先生はモモの体のあちこちを触って確認しました。おなかを入念に触ったり、目を見たり……。

 血液検査するのかな。オシッコを持ってこなかったけど、大丈夫かな。様々な心配事が頭をめぐりました。

 すると間もなく先生はこう言いました。

「肝臓が弱っているね」

 やっぱり体が悪かったんだ。病院に連れてきて良かった。でも、見た目と体を触るだけで分かるものなの!?

 そして、先生は何の迷いもなく、モモの後ろ足に注射を1本ブスっと刺しました。

「肝臓の機能を良くする注射をしたから。しばらくしたら、食欲が出ると思うよ」

 そして、自宅での投薬の説明をしていただき、診察はあっという間に完了。

「猫の1日は人間の3日。早めに病院に来るようにね」

 言葉は少ない先生だけれど、動物への愛情が伝わってきます。先生の言葉を心に刻みつけ、診察室を出ましたが、お会計の場所が見当たらない……。

「あのー……お会計は?」

 そう尋ねると、まるで忘れていたみたいに先生は言いました

「ああ、2,500円ね」

 想定より低価格すぎて、聞き間違いかと思うほどでした。ヒトの病院で、保険で3割負担だった場合の値段としか思えない金額。診察の時間はほんの数分だったかもしれないけれど、注射もしたし、薬も処方されて、これで良いの?と半信半疑のまま財布からお金を出しました。

 すると、そこにレジはなく、箱のような場所にお金をしまう先生の姿が。いつもこうなのだろうか……。

 なんだか夢を見たような気分のまま帰宅すると、モモはすぐにテレビの裏に隠れてしまいました。が、1時間もしないうちに出てきて、エサ場へトコトコ歩いていきました。

「モモちゃん!ゴハン食べるの?」

 バクバクとカリカリを食べるモモ。先生のおっしゃる通り、食欲が戻ったようでした。

みるみる元気に!

 そして、動物病院で処方された錠剤は、すりこぎで細かく砕いて粉薬に。それをウエットフードに混ぜると、モモは何のちゅうちょもなく毎朝食べてくれました。

元気になったモモ

 2日も経つとさらに元気になり、なんとなく以前よりも活動的にもなってきたモモ。最近、元気がなかったんだな……気づいてすぐに病院に連れて行ったつもりだけど、もっと早く連れて行くべきだったのかもしれない、と反省しました。まずは一安心とはいえ、薬が飲み終わる頃、また連れて行きたいと思っています。

 きゅうきょ行ってみた動物病院でしたが、モモに何の負担もなく、ここまで元気にしてくれて、口コミ通りの名医に出会えたと感じたのでした。次は、いつも元気そうに見えるサビ猫のあんずも連れて行きたいと思います。

(次回は8月17日公開予定です)

【前の回】愛猫の健康のため、サプリを飲んでほしいけれど 2匹の食べ方の違いが明暗を分けた

安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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